超低金利の環境下にある日本では、投資による資産形成の重要性が強く指摘されるようになっています。ただ、一口に「投資」といってもアプローチは人によってさまざま。本稿では、テクニカル分析の解説サイト『テクニカルブック』を運営する株式会社アドバンの代表取締役・田中勇輝氏が、「Z世代」と「バブル世代」の投資家2人を例に挙げ、世代による投資アプローチの違いを解説します。
FX・暗号資産にも挑戦する26歳「投資女子」とリスクを取らない57歳「サラリーマン投資家」…成果への満足度に表れた顕著な差 (※写真はイメージです/PIXTA)

投資を成功させるために意識したい5つのヒント

今回は、西原さんと東さんの投資アプローチの差から、世代による投資成果や満足度の違いを考えてきました。最後に、世代ごとの投資事情から読み取れる、投資による資産形成を成功に導くためのポイントを紹介します。
 

丁寧に投資判断を行う:経験があっても感覚だけでは運に左右されやすく、投資で安定的に利益を出し続けるのは難しいでしょう。バブル世代に目立つ「勘」による投資ではなく、Z世代の投資家にみられるような、情報収集や分析に基づく丁寧な投資行動が求められます。

 

新しいアプリやツールを活用する:投資成果に満足している割合が多かったZ世代の投資家の特徴として、さまざまなアプリやツールを使いこなして効率良く情報収集を行っていることが挙げられます。このように新しいものを取り入れていく姿勢は、多くの投資家が見習うべきポイントといえるでしょう。

 

リスク管理を徹底する:成果に満足している人が多いZ世代の投資家は、短期トレードにおいてはハイリスク・ハイリターンの投資スタイルがうかがえます。しかし、レバレッジのかかる投資では元本以上の損失が発生することもあります。中長期的な資産形成を目的とした投資では、リターンとリスクのバランスを適度に保つことを心がけましょう。

 

投資目的を明確にする:投資目的は人それぞれで、ライフステージによっても変わってきます。大切なのは自分の目的を明確にして、その目的に最適な投資を選択することです。たとえば東さんのケースでは、リスクを減らしたいと考えながら、目的が曖昧な中で株式投資を続けています。即時性のある情報収集が得意でない場合、プロに細かい運用を任せて手軽に分散投資ができる投資信託を活用してみるのも、一つの選択肢になるでしょう。

 

投資詐欺に注意する:残念ながら投資の世界には、「簡単に、絶対に」といった謳い文句で投資家を誘惑する詐欺まがいの業者や商材が数多く存在します。スキルアップに近道はなく、投資に絶対はありません。焦らず長期的な目線を持って、地道に資産形成を進めていきたいところです。

 

世代によって、また個人個人によって、目指すべき投資の形は異なります。さまざまな角度から情報を取り入れ、最適な投資の形を見つけましょう。