テクニカル分析専門サイト「テクニカルブック」は、今までに投資の経験がない1,095名を対象にアンケート調査を行いました。この調査によって、貯蓄額が増えるほど新たに投資を始める意欲が弱まり、物価上昇によって「現預金」の資産価値が目減りする「投資しないリスク」への評価も低くなる傾向がみえてきました。※本記事は、株式会社アドバンが2023年7月7日に発行したリリースを転載したものです。
貯蓄額1,000万円以上では「投資しないリスク」に無警戒な人が50%超…物価上昇で浮き彫りになる資産防衛上の課題 (※写真はイメージです/PIXTA)

調査サマリー

今回実施したアンケート調査の結果から得られた主な考察は、以下の通りです。

 

1.将来的に投資する意思があるのは37.1%、人気の投資先は1位が株式で投資信託、FXと続く


2.年齢別にもっとも投資する意思があるのは20代の53.3%で、年齢とともに下落する傾向


3.職業別にもっとも投資する意思がないのは専業主婦の24.7%、続いて公務員の31.4%


4.「時間不足」「知識不足」などが理由で投資をしていない人の約50%は、将来投資する意思あり


5.貯蓄額100万円以上では約45%が投資意思あり、一方で貯蓄額1,000万円以上では30%近くまで低下


6.貯蓄額3,000万円以上で「投資しないリスク」を警戒しているのは5人中1人だけ

 

◆調査の実施概要

調査機関 :自社調査

調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)

対象エリア:日本全国

対象者  :「今までに投資をしたことがない」と回答した20歳以上の男女

調査期間 :2023年6月19日~6月20日

有効回答 :1,095名

 

◆主な調査結果

 

以下、主な調査結果を具体的な数値とともに紹介していきます。

 

1.将来的に投資する意思があるのは37.1%、人気の投資対象は1位:株式、2位:投資信託、3位:FX

 

 

将来的に始めてみたい投資について質問したところ、「とくにない(投資を始めるつもりはない)」と回答した人は62.9%。何らかの投資を選択した人は37.1%で、投資未経験者のうち、将来的に投資する意思があるのは3人中1人ほどという結果でした。

 

 

何らかの投資を選択した人のうち、もっとも多かった投資対象は「株式投資(トヨタ、アップルなど)」で41.0%、2位は「投資信託(日経225インデックス、S&P500インデックスなど)」で21.0%、3位は「FX(ドル円、ユーロドル取引など)」で19.7%でした。

 

なお、「具体的にはないが投資は始めたい」と回答した人も28.0%と高い割合で、投資意思はあるものの具体的なイメージを持ててない人も多いという結果になっています。

 

2.年齢別にもっとも投資する意思があるのは20代の53.3%で、年齢とともに下落する傾向

 

 

将来的に投資する意思がある人の割合を年齢別に集計してみると、もっとも高い割合となったのは20歳~29歳の53.3%でした。年齢上昇とともにこの割合は低下しており、2位は30歳~39歳の48.6%、3位は40歳~49歳の45.7%、4位は50~59歳の38.8%、もっとも低かったのは60歳以上の24.5%となっています。

 

若い世代では半数が投資意思がある一方で、投資未経験のまま年齢上昇とともに投資意思が弱くなっていくことが読み取れます。

 

3.職業別にもっとも投資する意思がないのは専業主婦(主夫)の24.7%、続いて公務員の31.4%

 

 

将来的に投資する意思がある人の割合を職業別に集計してみると、1位は「学生」の100%、2位は「会社員(技術系)」の52.5%、3位は「会社員(事務系)」の50.4%となりました。「学生」はサンプル数が6と少ないことも考慮する必要がありますが、非常に高い値が出ています。

 

一方で、もっとも低い割合となったのは「専業主婦(主夫)」で24.7%でした。これに続くのが「公務員」の31.4%、「パート・アルバイト」の35.4%という形です。