スマホの明かりで生活する…40代男性の実態
厚生労働省が毎月発表する『毎月勤労統計調査』。最新となる2023年5月分(速報)が発表されると、給与額は前年から増えているものの「実質賃金は14ヵ月連続マイナス」と大きく報道されました。実質賃金とは「労働者が労働に応じて取った賃金が実際の社会においてどれだけの物品の購入に使えるかを示す値」。つまり、昨今は、給与は増えているけれど、それ以上に物価高が進んでいるということで、“実質は給与減”という状態が続いているというわけです。
――そりゃ、最近、生活が苦しいわけだ
そう、多くの人が感じているでしょう。このような状況下、ネットには苦しい実情を語る投稿にあふれています。
――電気代をケチって、スマホの明かりで暮らしている
なんとも想像が難しいことを呟くのは、「ずっと正社員だが、ずっと最低賃金並みの給料」と自虐する40代前半の男性。この物価高で生活はだいぶ苦しくなり、色々な節約法を実践しているといいます。電気代ももったいないと、夜は電灯を付けることなく、スマートフォンのライト機能を使い暮らしているとか。生活苦を前に、涙ぐましい努力も惜しみません。
――ペットボトルに反射させると、結構部屋が明るくなる
スマートフォンの上に水の入ったペットボトルを置くと、光が水に反射し、お手製ランタンに早変わり。そんな裏技で節約生活を楽しみながら、この苦境を乗り越えていこうとしています。
内閣府による『「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」』によると、「昨年(2021年)と比べて生活はどうか?」に対して、32.6%が「低下している」と回答。また47.8%が「現在の生活に不満(「やや不満」と「不満」の合計)」と回答しています。さらに所得・収入の側面に限ると「不満」の割合は64.8%に上昇します。
前出のとおり、実質賃金は14ヵ月連続減少。「働けど、働けど、生活は楽にならず……」いま、多くの人が直面する難問です。