物価高でため息が止まらない、というのは序の口。思わず「えっ!?」と驚きの声が出てしまうような方法で、耐え忍んでいる人たちがいます。しかも普通のサラリーマンだというから驚きです。みていきましょう。
月収15万円・40代男性「夜はスマホの明かりで暮らしてます。」生活苦にあえぐ「底辺サラリーマンたち」のさらなる地獄 (写真はイメージです/PIXTA)

ずっと底辺で生きています…低収入サラリーマンの末路

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、40代前半サラリーマン(正社員)の平均給与は、月収で37.0万円、年収で616.2万円。また1ヵ月の平均労働時間(所定内実労働+超過実労働)は184時間です。

 

給与が最低賃金並みと自虐する男性ですが、たとえば東京都の最低賃金は現在1,072円。男性の労働時間を平均値並みと仮定すると月収は19.7万円となり、独身の場合、住民税や所得税、社会保険料などを引くと、手取りは15万円程度となる計算です。

 

前出の厚労省の調査によると、40代男性の月収の中央値は33.9万円、下位25%で27.7万円、下位10%で23.3万円。40代前半で月収20万円以下となると同世代の3.6%。さらに全サラリーマンを対象としても、月収20万円以下は7.9%。ある意味レアな存在であり、「夜はスマートフォンの明かりだけで暮らす」という努力をしなければならないのもうなづけます。

 

底辺で苦境に直面している男性ですが、仮に「ずっと底辺」だとすると、どんな顛末になるのでしょうか。20歳から65歳まで、常に給与下位10%にいたとすると、65歳で受け取れる厚生年金は6.4万円ほど。国民年金が満額受給だとすると、月13万円程度の年金を手にできる計算です。ただそこから保険料などが引かれるので、手取りは11万〜11.7万円ほどになります。

 

東京都の生活保護費は13万0,580円(生活扶助基準額:7万6,880円、住宅扶助基準額:5万3,700円)。賃貸暮らしだとすると「生活保護以下の年金」しか手にできないことになります。

 

そんな底辺のサラリーマンに待つ、なんとも残酷な未来図。「ずっと真面目に働いてきたのに、年金はたったこれだけ……」こんなことを考えると、働く意味はもとより、生きる意味さえ見失ってしまいそうです。

生活保護以下の年金受給額…将来もらえる年金を増やす方法

65歳まで働いても、生活保護以下の年金受給額。そんな未来が見えてきたとき、何か手立てはないのでしょうか。ひとつ考えられるのが「年金の繰り下げ」。本来65歳からもらえる年金を遅らせて受給することで、年金の受給額を増やすことができる制度です。

 

増額率は、ひと月単位で0.7%。75歳まで繰り下げることができ、増えた年金は一生涯もらい続けることができます。仮に75歳まで繰り下げたとすると、年金受給額は月23.9万円。手取りでも20万円強になる計算です。年金だけで十分暮らしていける水準です。

 

さらに厚生年金は70歳まで加入することができるので、70歳まで働けば、さらに厚生基礎年金は増額されます。

 

長寿化が進むなか、定年後も働き続けるのが今やスタンダード。70代であっても仕事を続けるアクティブシニアは、今後、ますます増えていくでしょう。その波に乗れば、低収入のサラリーマンであっても、安定した老後を手に入れる可能性はあるのです。