青信号を待てない人は、トレードで失敗しやすい
実はこうした場面は、日常にたくさんあふれています。
たとえば、急いでいるときに目の前の信号がなかなか青にならないと、イライラしませんか? 並んでいるスーパーのレジがなかなか進まないので隣のレジに移動したら、結局最初に並んでいたレジのほうが早く進んで悔しい思いをした、ということはないでしょうか? 車の運転中にクラクションを鳴らされて無性に腹が立ったことはありませんか?
信号が青に変わるのを待てない人は、トレードでも決めておいたエントリーポイントを待つことが苦手で、十分に引き付けるトレードができない傾向があります。日常生活では、信号を無視したおかげで早く到着できるという結果オーライな状態を経験したことがある方もいるかもしれませんが、これはまさにトレードと同じです。
ルールを破ってたまたま成功する経験をしてしまうと、そのときはよくてもいつか痛い目に遭うので、相場で長く生き残ることが難しくなります。
同様に、隣のレジの方が早く見えて列を変わってしまう人は、あらかじめ決めたエントリーポイント以外の値動きがチャンスに見えてしまいがちで、質の悪いエントリーを乱発してしまう傾向があります。クラクションについても同様で、うまく気持ちを切り替えられずに怒りを引きずってしまう人は、損失を出した後に無理なリベンジトレードに走りがちです。
こういう人が、トレードの場面でだけ冷静さを保ち続けるのは当然難しく、むしろトレードの場面では感情の振れ幅が日常生活よりもさらに増幅されてしまうことになります。
交差点ではどんなに急いでいても、周りの人がじっと待っていたり、子どもが一緒だったりすれば我慢して青信号を待てるという人は多いのではないでしょうか。しかし、周りに誰もいなければ赤信号でも平気で渡ってしまう人もいます。
日常生活では人目を気にして感情を抑えようとする作用が働きますが、誰も見ていないトレードルームではルールは破り放題になりやすく、自分の感情のままに行動してしまいがちなのです。
こうした行動は、必ずしも性格だけに起因するものではなく、その日の心理状態にも影響を受けています。たとえば、宝くじで3億円当たった日であれば、目の前の信号がなかなか変わらなくてもそんなにイライラしないはずです。隣のレジがスイスイ進んで自分が並ぶレジが渋滞していても、さほど気にせず待つことができるものです。
同じ物事に対しても、人によって感じ方が違うのはもちろんですが、同じ人でもそのときの環境によって反応には大きな差が生まれます。
自分はどんなときに感情的になりやすいかといった弱点を把握しておくことができれば、感情的なトレードを未然に防ぐことが可能となります。
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