日経平均株価は6月13日、33,000円に乗せて終えました。今後の株価の見通しについては様々な意見がありますが、少なくとも現時点では「日本の株式市場は好調」といえそうです。本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、現在のように相場が好調な時こそ気をつけるべき点について解説します。
どんな株でも「買えば上がる」雰囲気だが…“本物の投資家”だけはマーケットを「冷めた目」で見ているワケ【投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「何もしない」という戦略

それでは、相場好調時にあらゆる株が割高になってしまい、「買う株がない」と思える時はどうすればよいでしょうか?

 

実はそういう時には、「何もしない」のも立派な戦略です。

 

前述の通り、優れた投資家は相場好調時の前のタイミングで、安く株を買っています。ですから相場好調時には十分な含み益を得ていて、リスクを負って慌てて割高な株に手を出す必要もありません。むしろこういう局面では、割高な株を売り、現金を蓄えています。そこで蓄えた現金を使って、次に来る下落局面でまた株を買うのです。

 

そのように、相場が不調の時に株を買い、好調の時には買わずに売って現金を蓄えておくことが、利益を出すための基本です。

 

しかし、言うは易く行うは難しで、高くなった時にそれに乗り遅れまいと慌てて買い、それが安くなって慌てて売り、結局損をしてしまう人は、たくさんいます。

 

株式投資には、冷静さや忍耐力が必要なのです。