将来を見据えて資産形成を進めるにはいくつかの方法があります。給与所得を増やすこともそのひとつ。今働いている会社で出世を目指すことはもちろん、転職という手も。そのとき気になるのは、業界のトップランナー企業の給与事情です。今回は総合スーパー2社で働くリアルな社員たちの声を元にした給与額をみていきます。
「イオン」vs.「イトーヨーカ堂」…総合スーパー2強、社員が答えた「リアルな給与額」 (写真はイメージです/PIXTA)

総合スーパー2強…社員たちが答えたリアルな年収はいくら?

衣料事業において、正反対の戦略を見せるイオンとイトーヨーカ堂。何かと比較されがちな2社ですが、業界を志す人たちにとって気になるのは「お金のこと」。実際にどれほどの給与を手にしているのでしょうか?

 

まずは厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』で業界の給与水準をチェックしていきます。総合スーパーが分類される「各種商品小売業」の平均給与(平均年齢46.7歳)は月収で27.7万円、年収で409.4万円。全会社員の平均給与(平均年齢43.7歳)は月収で31.1万円、年収で496.5万円ですから、総合スーパー業界は平均を下回る業界です。

 

そんななか、業界の2強に勤務する会社員たちの給与額は? 企業に関する社員クチコミ情報を提供するオープンワークのデータをみていきます。

 

【総合スーパー 2強の年収】

◆イオン株式会社…512万円/年収*1

◆株式会社イトーヨーカ堂…476万円*2

*1:2023年7月10日現在。回答者41人

*2:2023年7月10日現在。回答者93人

 

売上と同様イオンがイトーヨーカ堂を年収でも上回っていますが、業界のトップランナーといえども、業界平均を大きく上回るほどの給与ではないようです。もちろん、これは口コミによる自己申告による給与で、回答者の人数も異なることなど留意が必要です。

 

スーパー業界では、かつて主力だった衣料品。しかしファストファッションの広がりなどで、段々とその優位性は失われ、足を引っ張る存在になりました。しかし、一方は衣料品事業のさらなる充実を図り、一方は切り捨てる……業界の2強による異なる事業戦略。今後、どのように影響を与えるか、またそれがどのように社員たちの給与に反映されるのか注目です。