何かと出費の多い子育て世帯。そんななか、ひとり親世帯は経済的に困窮しがち。なかでも低収入の傾向にある母子世帯は、貧困と共に語られることが多く、何かと注目が集まります。一方で父子世帯にスポットライトが当たることは稀。実際はどうなのでしょうか。父子世帯の実態についてみていきます。
平均年収500万円だが…ワンオペ育児で収入減「貧困・シングルファーザー」の悲鳴「本当に、ツラい」 (写真はイメージです/PIXTA)

統計上は余裕の父子世帯も…見えづらい父子世帯の貧困

困窮する母子世帯に対して、余裕の父子世帯。そんな姿がみえてきましたが、もちろん例外もあります。父子世帯における親の属性を振り返ってみましょう。「正社員」が69.9%、「パート・アルバイト」が4.9%。では残り4分の1はどうなのかというと、「会社などの役員」6.9%、そして「自営業」が14.9%……ひとり親になり、仕事と子育ての両立がいかに難しいかを痛感したり、職場の理解を得られなかったりと、やむを得ず退職。就業時間の短い非正規社員になったり、融通のきくフリーランスになったりするケースが多くみられます。

 

絶対的にボリュームが少ないので、ひとり親においては母子世帯に焦点があたりがち。そして「母子世帯=貧困」と紐づき、支援が集まりやすいという現状があります。

 

一方、シングルファーザーについては、あまり苦労が語られることはありません。統計上は父子世帯は経済的に問題のないように思われますが、正社員でも役職につけなかったり、残業ができなかったりと、収入を大きく減らすケースも珍しくありません。また安定した正社員の立場を捨てたことで、生活が不安定になることも。子育てを優先するほど、収入は下降線を辿ります。さらに世帯主として住宅ローンを抱えている場合、「夫婦2馬力で家計を支えローンを返済」というのは叶わず、ローン負担で家計が逼迫、火の車。最悪、住まいを手放すことも。

 

――毎日がワンオペ育児で、本当にツラい

――収入は減るし、頼る人もいない

――お金が足りず、暮らしていけない

 

そんな声は誰にも届かない……それが父子世帯の実態です。

 

経済的に困窮するシングルファーザー。そこで利用を考えたいのがひとり親世帯に対する経済支援です。たとえば「児童手当」。これはひとり親世帯に限らず、すべての家庭を対象とした支援策。養育している子どもの年齢によって支給額が変わります。「児童扶養手当」は以前は母子世帯だけが対象でしたが、2010年8月からは、父子世帯も利用できるようになりました。受給者の扶養する子どもの人数に応じた「所得制限」があり、児童1人の場合の一部支給の所得制限は365万円(収入ベース)です。

 

ほかにも市区町村独自の「住宅手当」や「医療費助成制度」、「こども医療費助成制度」など、さまざまな公的な支援制度があります。元々、母子世帯が対象だった支援制度が父子世帯に拡充する動きも。条件はそれぞれ異なるので、一度、住んでいる地域の役所に相談するのがおすすめです。