世界的に「働かない若者」が少ない日本
OECDによる主要国の「若年層失業率」ランキングをみていくと、最も高いのが「ギリシャ」で31.7%。若年失業率は15歳以上25歳未満の労働力人口における失業者数の比率。労働力人口は原則15歳以上の就業意志のある人口(就業者数+失業者数)。つまり学生は含みません。
【主要国「若年層失業率」上位10ヵ国】
1位「ギリシャ」31.37%
2位「コスタリカ」30.96%
3位「スペイン」29.76%
4位「イタリア」23.70%
5位「コロンビア」21.89%
6位「スウェーデン」21.73%
7位「スロバキア」19.90%
8位「トルコ」19.44%
9位「ポルトガル」19.05%
10位「エストニア」18.56%
出所:OECD 資料:GLOBAL NOT
※2022年データ
では「日本」はというと「若年層失業率4.20%」で、調査対象38ヵ国中38位です。経年でみてみると近年は最下位が定位置ですが、2000年前半は数値が上昇。2002年には10.04%、働きたい若者の10人に1人は仕事に就くことができずにいる、という状態でした。ちょうど就職氷河期の時代。若年層の就職に大きな影響を与えているようです。
世界と比べると、「(望んでいる仕事かどうかは別として)若者が働き口を見つけやすい国」だといえる日本。では内閣府『令和4年版 子供・若者白書』で、国内だけに焦点をあてて考えてみましょう。こちらでは「若年無業者」として「高校や大学などの学校及び予備校・専修学校などに 通学していない」「配偶者のいない独身者」「ふだん収入を伴う仕事をして いない」という15 歳以上 34 歳以下を「若年無業者」と定義づけています。
それによると、2021年、若年無業者は全国で75万人。15〜39歳の人口に占める割合は2.3%でした。男女別にみていくと、男性が2.8%、女性が1.9%と、若い男性のほうが「働きたいけど働いていない」という人が多いようです。
またその働かない理由として「病気や怪我」を除くと、「知識・能力に自身がない」「(仕事を)探したが見つからない」「希望する仕事がありそうにない」と、“言い訳”と捉えられても仕方のないものが多くみられます。