近年、結婚、出産ともに平均年齢が上がり、「アラフォー」での出産も増加しています。アラフォー出産は母体・胎児の安全の問題がクローズアップされがちですが、教育資金の確保等の「お金」の問題にも注意する必要があります。本記事では、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子氏が著書『子どもにかかるお金の超基本』(河出書房新社)から、「アラフォー出産」をする場合の家計管理のポイントについて解説します。
「アラフォー出産」を考えるなら知っておくべき「子どもの教育資金」のための家計管理のポイント【FPの助言】 ※画像はイメージです/PIXTA

高等教育の種類と費用

◆学校数も生徒数も私立大学がもっとも多い

高校卒業後に進める高等教育機関は、大学、短期大学、高等専門学校(4年次編入)、専門学校があります。在学者が最も多いのは大学、次が専門学校です。

 

大学は、私立、公立、国立では、学校数でも学生数でも私立が多く、高校までとは大きく違ってきます。

 

国立・公立大学の学費は、国により標準額が定められています。標準額を基に各大学が決めますが、それほど大きな差はありません。

 

私立大学はそれぞれの学校が独自に決め、国・公立よりも高めです。国・公立、私立とも初年度は授業料に加えて入学金を納めます。私立では、授業料と合わせて毎年、施設設備費も支払うのが一般的です([図表4]参照)。

 

【図表4】高等教育機関の学校数と在学者数

 

◆私立の学費は志望する学校・学部を確認

入学金が必要な初年度に学校に払う費用は、国立が約82万円、公立が約93万円、私立大学は約136万円。

 

2年目以降は、国・公立が授業料の約54万円、私立が施設設備費と授業料の合計で約111万円。

 

かつて、平均的に私立は国立の5倍程度の費用がかかりましたが、現在は2倍程度です。

 

ただし、国・公立は学部による授業料の差はありませんが、私立は、そもそも大学ごとに授業料や施設設備費が異なり、同じ大学でも学部によりかなり違います(下の表5参照)。文科系よりも理科系が高めです。

 

[図表5]大学等の学生納付金(初年度)

 

私立の専門学校も、平均的には私立大学と同程度ですが、専攻する分野によりかなり違いがあります。私立は、平均額ではなく志望する学校・学部の費用を事前に確認しておくことが必須です。

 

 

坂本 綾子

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定CFP

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

※イラスト作成:松岡 未来(ヤング荘)(『子どもにかかるお金の超基本』本文より)