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人気急上昇の「晴海」…2040年にはどうなっている?
では「晴海」の可能性を探っていきましょう。
晴海は1丁目~5丁目まであり、1丁目は「晴海アイランドトリトンスクエア」などがある地域で、「勝どき」へは春潮運河を渡って徒歩10分程度。「都立大学晴海キャンパス」は「月島」が最寄り駅になります。また「晴海フラッグ」がある5丁目は埋立地の西端に位置します。
まずは2020年の国勢調査から、住民の特性をみていきます。
晴海の人口は1万7,465人。男性8,484人、女性8,981人、世帯数は8,862。5年前調査と比較して、182%増と、人口増加が顕著な中央区の中でも際立った地域です。この数値は晴海フラッグの売出し前のもの。今回103%増に留まった晴海5丁目ですが、次回調査での人口急増は確実です。人口密度については、2丁目と3丁目がひと際高く、4丁目は極端に低くなっています。4丁目は事業所や倉庫が多く、今後、用地転換がない限りはこの状態が続くと考えられます(図表1)。
世帯の状況をみていくと、一般世帯は7,545世帯。単身者世帯の割合は地区全体では30%強。晴海4丁目に単身者用マンションがみられるほかは、多くがファミリー向けの大規模マンション。そのため地区としては単身者率は低めです。また一部を除き高齢者率は低く、地区としては16.6%。(交通の便はさておき)都心に隣接、再開発も進んでいることも加わり、現役世代のファミリー層に選ばれている街であることがわかります(図表2)。
次に直近の不動産取引についてみていきましょう。土地取引はほとんどないので、中古マンション取引のみみていくと、平均取引価格は7,716万円、平均平米単価は60万円強で、都心隣接という地域でありながら、比較的安価だといえるでしょう。また平均築年数も10年ほどと、築浅の物件が多く取引きされていることから、投資家も有望なエリアとして参戦していることが伺えます(図表3)。
ちなみに2022年7月公表の公示地価をみると、「勝どき」駅から徒歩10分強、「晴海5-1-9」は前年より4.5%上昇で、平米単価114万円。地価は右肩上がりで、今後も街の注目と共にさらに上昇することが見込まれます。
では、晴海エリアの今後はどうでしょう。2015年~2040年の人口増減率をメッシュ分析でみてみます。赤系は10%以上の人口増加、緑系は0~10%の人口増加、青系は人口減少を表しますが、晴海周辺は人口25%以上増加の濃赤。晴海フラッグのほか、今後も新たな大規模共同住宅の予定もあり、大幅な人口増加が見込まれています(図表4)。
元東京五輪選手村の「晴海フラッグ」で注目される「晴海」ですが、現状の交通利便性が評価されてか、都心から2Kmという距離ながら、地価は比較的安価。しかし今後は大幅な人口増が見込まれるだけに、住まいを求める一般層のほか、投資家からも大きな注目を集めています。交通不便というクチコミも多いなか、解消に向けて計画は進行中。問題が解決すれば、街の資産価値はまた一段と高いものになると予想されます。
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