都道府県別に「1世帯当たりの借金額」をみていくと…
では地域別の状況をみていきましょう。なお家計調査では、都道府県や主要都市ごとに調査を行っていますが、本記事では便宜上、県庁所在地=都道府県と表記しています。
まず負債額が最も多いのは「埼玉県」で1,263万円。「兵庫県」「栃木県」「千葉県」「千葉県」と続きます。「埼玉県」は負債の中でも住宅ローンの残高が最も多く1,246万円。住宅ローン残高2位の「兵庫県」1,147万円と比べて100万円近くも高く、「多額の借入れでマイホームを実現する」、そんな埼玉県民の姿が想像されます。一方、最も負債が少ないのは「沖縄県」で527万円。トップ「埼玉県」との差は500万円を超えています。
【都道府県「負債額」上位5、下位5】
1位「埼玉県」1,263万円
2位「兵庫県」1,247万円
3位「栃木県」1,235万円
4位「千葉県」1,198万円
5位「石川県」1,105万円
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43位「長崎県」636万円
44位「徳島県」629万円
45位「佐賀県」620万円
46位「広島県」601万円
47位「沖縄県」527万円
出所:総務省統計局『家計調査 貯蓄・負債編』(2022年平均)
次に貯蓄から負債を引いた、純粋な貯蓄額をみていくと、トップは「滋賀県」で1,453万円。続く「富山県」は1,408万円。2県とも貯蓄志向の高い地域として知られています。一方で47位は「青森県」でマイナス149万円。同じように「負債超過」となったのは、「山形県」マイナス58万円、「鹿児島県」マイナス57万円の3県でした。
そして年収に対する住宅ローン残高の割合をみていきます。割合が高いほど、「年収>住宅ローン残高」となり、それだけ家計的に余裕があるといえるでしょう。トップは「広島県」で135%。「沖縄県」「群馬県」「長崎県」と続きます。一方で、割合が最も小さいのが「鹿児島県」で62%。「青森県」「栃木県」「兵庫県」「秋田県」と続きます。これらの地域は他地域と比べて余裕がない世帯が多いかもしれません。
もちろん、今回の結果は単年のものであり、地域の実情と異なる場合があることに留意しなければなりません。全国共通なのは、庶民の夢は、多額のローンで叶えられるものだということ。無理のない返済プランを組むことが重要であることも、全国共通です。