会社員として仕事をしながら、副業でユーチューバーやライターなどのクリエイター活動を行っている人は少なくありません。そうした「副業クリエイター」は、どうすればファンを増やしていけるのでしょうか。今回は、米国・人材系ビジネスの最前線企業「LinkedIn」の日本代表を務めた経験もある村上臣氏の著書『稼ぎ方2.0「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』から一部を抜粋し、「一人目のファン」の獲得に不可欠な人的ネットワークについて解説します。
稼ぐ「副業クリエイター」が社外に”ゆるいネットワーク”を築いている理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

会社外の人と「ゆるく」つながる

日本の会社組織内では、タテの人間関係が大きなウエイトを占めています。

 

稼ぎ方1.0の時代は上司部下、先輩後輩の上下関係が強く、上役や年長者から信頼されて目をかけられれば、重要な仕事を任せてもらえました。

 

しかし、稼ぎ方2.0の時代に重要となるのはヨコのつながりです。いくら会社内で強固なタテのつながりを構築していたとしても、会社がなくなったら土台そのものが崩壊してしまいます。

 

そんなときに救いとなるのがヨコのつながりです。

 

会社の外に人間関係を持っていれば、「こんな仕事があるけど、どう?」「○○社がこういうポジションの人を探しているみたいだよ」といった情報が入りやすくなるわけです。

 

私は、「転職に不可欠なのは人脈ではなくネットワークづくりである」と考えています。

 

ネットワークとは、友だちの友だちの友だちくらいまで含まれるゆるやかなつながりを指します。一緒に仕事をしたことがない人や、同じ組織に所属したことがない人も含まれます。

 

「深い人間性までは知らないけど、お互いになんとなく興味があって意識している」

 

「相手の活躍ぶりを認知している」

 

など、端的にいうとSNS上でゆるくつながっている人をネットワークと捉えるとわかりやすいと思います。

 

ネットワークは、ヨコのつながりとほぼ同義です。ヨコのつながりを持っている人は、人を介して転職のオファーが飛び込む可能性があります。タテのつながりよりも、ヨコのつながりを持っている人のほうが市場価値が高い人といえるのです。

 

また、「ヨコのつながり」という言葉は、フラットな人間関係という意味も表しています。

 

クリエイター同士のつながりには上下関係がなく、常に対等な関係であるのが基本です。

 

ジャンルによっては、クリエイターがニックネームやペンネームで活動するケースもありますし、仮想空間で別人格として活動するケースもあります。活動領域の特性からバーチャルでフラットなつながりが生まれるのは必然といえます。

 

ヨコのつながりでは年齢や性別はもちろん、本業でどんな仕事をしているか、どんな役職に就いているか、どの程度年収を得ているかといったことは、まったく問われません。

 

ヨコのつながりは自由度の高い人間関係ともいえるでしょう。