会社の成長と社員の幸福度向上が直結しにくくなった昨今、社員個人にとって会社は「人生を捧げる場」ではなく、「自己実現をする場」になっています。今回は、米国・人材系ビジネスの最前線企業「LinkedIn」の日本代表を務めた経験もある村上臣氏の著書『稼ぎ方2.0「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』から一部を抜粋し、「推し」に熱狂するファンの姿を例に、自己実現で稼ぐヒントを探ります。
「推し活」にハマる人はジャニーズやAKBの何に共感しているのか (※写真はイメージです/PIXTA)

自己実現欲求が共感を呼ぶ

逆にいうと、クリエイターエコノミーで稼いでいくためには、自己実現を目指した働き方への転換を行なっておく必要があります。

 

何かをクリエイトする作業は決して簡単なことではなく、内なる情熱がないと活動をやり続けられないという側面があるからです。

 

人はクリエイターのアウトプットそのものに共感するだけでなく、作り手の情熱に共感します。クリエイターの試行錯誤や成長に共感して、応援したいという気分になります。

 

最もわかりやすい例がアイドルグループのジャニーズJr. やAKB48です。

 

ジャニーズJr. を応援するファンの人たちは、「推し」の成長する過程を見ることに楽しみを見つけています。「推し」が努力して厳しい競争を勝ち抜き、グループを結成してデビューすれば、熱狂的に応援します。

 

AKB48も研究生を対象にオーディションを行ない、晴れてメンバー入りした人が大きな舞台で活躍したり、選抜総選挙などで人気を争ったりする過程をありのままに開示することで人気を得ていった経緯があります。

 

今、クリエイターエコノミーの世界ではクラウドファンディングを活用する事例が非常に多く見られます。

 

例えば、漫画を描く人が作品を出版するため、あるいは映像クリエイターが映画を撮るために支援者を募るといったケースがあります。実績がないクリエイターが支援者を集める場合、最初は何一つ説得材料がありません。

 

支援したからといって作品ができあがるのかも不透明ですし、作品ができても世の中に受け入れられるかはまったくの未知数です。

 

それでも支援者が集まるかどうかを左右する最大の要素は、情熱にほかなりません。

 

「とにかくこの人の情熱がすごいから応援したい!」

 

そんな共感を持ってくれる人が集まれば、プロジェクトは動き出します。

 

つまり、クリエイターエコノミーの世界で成功するためには、絶対的に共感のフックが必要です。そして、共感を生み出す情熱は、クリエイターの自己実現欲求に根差しているのです。

 

 

村上 臣

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部

客員教員