「人間ドック」では不十分…“一生自分の脚で歩きたい”なら受けるべき「股関節ドック」とは【専門医が解説】

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「人間ドック」では不十分…“一生自分の脚で歩きたい”なら受けるべき「股関節ドック」とは【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

年に1度は人間ドックを受けるという人は多いでしょう。しかし、一般的な人間ドックでは整形外科の項目が含まれず、一生自分の脚で歩行するために必要な「股関節の異常」は見逃されがち。そこでぜひ受けてほしいのが「股関節ドック」だと、東京ヒップジョイントクリニックの狩谷院長はいいます。「股関節ドック」とはなにか、とりわけ受診すべき人の特徴・共通点とは、みていきましょう。

自覚症状なしに「指定難病」にかかっている可能性も

股関節ドックで見つかる疾患には、先述した臼蓋形成不全のほか、「特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこつえししょう)」があります。これは、大腿骨頭の一部が壊死に陥った状態のことです。現在、日本では厚生労働省により指定難病とされており、医療費補助の対象となっています。

 

原因については長年研究が進んでいるものの、まだ解明されていません。しかし、以下の習慣が発症に関与しているとされています。

 

・ステロイドを服用している
・アルコールを多飲している
・喫煙の習慣がある

 

特発性大腿骨頭壊死症は男女ともに発症しますが、女性の場合はなんらかの治療のため、ステロイド剤を使用していることが原因で発症するケースが目立ちます。一方、男性の場合はアルコールや喫煙が原因で発症することが多いとされています。特にアルコールについては、国際的に以下の基準が定められています。

 

「あらゆる種類のアルコール飲料を、400 mL/週(もしくは320 g/週)を超えて摂取し、かつそれを6ヵ月以上継続している」と、特発性大腿骨頭壊死症のリスクが高まる

※ 公益財団法人難病医学研究財団 難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」

 

特発性大腿骨頭壊死症が発生した時点では、特に自覚症状はありません。しかし、骨が壊死した部分が潰れ、大腿骨頭に圧潰が生じると、急激な股関節痛や、腰痛、膝痛、臀部痛などが起き、症状がひどくなれば日常生活が困難になります。

 

上記の基準量を超えたアルコール量を摂取している場合は、1度、股関節ドックを受けることをおすすめします。

 

[図表2]特発性大腿骨頭壊死症の股関節

 

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