暴騰・暴落が起こるポイントは「みんなが注目する価格帯」
ダウ理論を用いたテクニカル分析では、多くの人が同価格帯で水平ラインを引くことがあります。そのような多くのトレーダーが目をつけているポイント付近では、暴落や暴騰が起こりやすい特徴があります。
ドル円で例えると、130円や135円など切りのよい価格帯は、大口のトレーダーから個人トレーダーまでが注目するポイントです。このような「みんなが注目している場面での行動」の違いが、プロトレーダーと初心者トレーダーの収益に大きな違いをもたらします。
みんなが注目する価格帯では価格が乱高下することを知っているプロトレーダーは、乱高下する可能性が高い危険な価格帯でトレードする際は、普段より取引するときのロットを落としたり、損切りするラインをいつもより広い幅で設定したりします。
対して、なかなか収益を上げられない初心者トレーダーは、みんなが着目している価格に無頓着であるため、乱高下しやすい価格帯でもいつもどおりのロット数で、いつもどおりの損切り幅でトレードしてしまいます。そのため、「損切りしたあとに思っていた方向に値動きが進んだ」という悔しいトレードを多く行ってしまいます。
前述したダウ理論を頭の片隅に入れておけば、相場の転換ポイントが把握できるので、悔しい思いをする損切りを少なくすることができるでしょう。
トレードが劇的に上達する可能性も
プロトレーダーと初心者トレーダーの損切りの違いは、相場全体の流れを考えたうえで損切りをしているかどうかです。初心者トレーダーであるうちは自分の損得に集中してしまいがちで、自分以外のトレーダーの思考を考えることを疎かにする傾向があります。しかし、多くの相場参加者がいる以上、大衆心理を考えていかなければチャートに振り回されることになるでしょう。
これからプロトレーダーのように安定した収益を積み重ねていこうとするのであれば、相場心理の基礎であるダウ理論を応用して、トレーダーが目をつけている価格帯を意識するようにしていきましょう。自分以外のトレーダーの気持ちを考えられるようになれば、無理なトレードがなくなり、相場のボラティリティに沿った損切り幅や注文ロットを設定できるようになるでしょう。
なかなか無駄な損切りのループから抜け出せない人であればあるほど、日常のトレードにほんの少しの変化をもたらすだけで、いきなりトレードが上達する可能性があるかもしれません。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員