アルバイト・大学進学における注意点
◆アルバイトをするときは、必ずケースワーカーに相談を
高校生になったら、アルバイトをしたいと考えているお子さんも多いでしょう。
生活保護世帯の大人が収入を得た場合と違って、未成年の学生さんなどがアルバイトで得た収入は通常の基礎控除だけでなく、未成年者控除があります。
そのため、アルバイト代がすべて保護費から減額されるわけではありません。
アルバイトで収入を得たら、いくらが収入として認定されて、手元に残るのはいくらになるか、しっかりとお子さんとご家族で理解しておくことが大切です。
そして、ここが重要なポイントです。
お子さんがアルバイトで得た収入を、塾や予備校の費用や、大学の受験料や入学金などに充てる場合は、その分の生活保護費は減額されないのです。
アルバイトをするときは、必ず事前にケースワーカーに相談して、収入を得たときも都度ケースワーカーに報告して、うっかりの申告漏れを防ぎましょう。
お子さんのアルバイト代の収入申告が漏れていて、さかのぼって数カ月分の返還請求が来てしまったという相談も少なくありません。注意が必要です。
◆生活保護を受けながら大学に通うことはできないが……
原則として、大学や専門学校に進学すると、その学生だけが、一つ屋根の下で生活保護を受けていた生活保護世帯の対象から外れ、生活保護費がその学生の分だけは支給されなくなります。これを、生活保護制度上の世帯分離といいます。
大学生や専門学校に通う学生以外の家族は、引き続き生活保護を受けられるのですが、これを誤解をしてしまうお子さんがいて、自分が大学進学すると家族も生活保護を受けられなくなってしまうという思い込みから、家族にも本音を伝えず、進学を諦めるケースが見られます。
※ 1970年(昭和45年)までは、生活保護制度では高校への進学も認められず、大学への進学同様に世帯分離をしなければなりませんでした。高校への進学率が8割を超えた頃に、貧困の連鎖を断ち切るため、法改正され、生活保護世帯の子どもも高校進学が認められるようになったことから、大学についても世帯分離しなくて済むように制度の見直しを求める声も大きくなっています。