新卒で就職したものの、3割は3年以内に辞める……今も昔も変わらないようです。なかには「もう何にも縛られたくない!」と、自由気ままな生活を謳歌する人も。しかし、いつまでも気楽にはいられないようです。みていきましょう。
同期は「月収43万円」だが「給与が安くて震える。」40代目前で焦燥感、39歳・非正規の「手取り額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

会社を3年で辞める新入社員の「言い分」

ゴールデンウィークも終わり、大きなため息を漏らしている人も多いのでは。そんななか、「4月3日に入社して4月末に退社した」とつぶやいたのは、メンタルがぼろぼろになったという2023年、新入社員の男性。

 

そこそこ、だという大学を卒業し、そこそこだという企業に就職したものの、なぜか通勤電車に乗ることができなくなり、早々に退職を申し出たといいます。

 

厚生労働省の発表によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者で35.9%、新規大学卒就職者が31.5%(対象:2019年3月に卒業した新規学卒就職者)。昔から「新卒の3人に1人は3年以内にやめる」と言われてきましたが、現在も変わらないようです。

 

また規模別にみていくと、規模が大きくなるほど離職率は低くなり、従業員1,000人を超える大企業では4人に1人の割合まで下落。ただ見方を変えれば、大企業でさえ新卒の4人に1人は3年以内に辞めてしまう実情がみえてきました。

 

【事業所規模別「3年離職率」】

5人未満:55.9%

5~29人:48.8%

30~99人:39.4%

100~499人:29.6%

500~999人:29.%

1,000人以上:25.3%

 

出所:厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します』より

 

さらに業種でみていくと、「宿泊・飲食サービス業」が最も高く、49.7%。「生活関連サービス業・娯楽業」「教育・学習支援業」「医療、福祉」「不動産業、物品賃貸業」と続きます。一方で離職率が低いのが、圧倒的に「電気・ガス・熱供給・水道業」で10.6%。続く「製造業」は18.5%でした。

 

少々古い調査になりますが、15~34歳若年労働者、およそ2万人から回答を得た厚生労働省『平成30年若年者雇用実態調査』によると、「初めて勤務した会社をやめた主な理由」として最も多く上がったのが、大卒では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」で33.2%。「人間関係がよくなかった」21.3%、「賃金の条件がよくなかった」20.9%、「仕事が自分に合わない」19.2%と続きます。また勤務3ヵ月未満に限ると「人間関係がよくなかった」が最も多く38.7%、僅差で「仕事が自分に合わない」で38.6%でした。