長寿化や高齢化の進展で、避けては通れない介護問題。介護する側もされる側もさまざまな問題を抱えていますが、最近は介護サービスも充実し、双方に大きく負担を軽減させることができるようになりましたが、しかし手を貸してもらいたくても貸してもらえない状況にある人もいるようで……みていきましょう。
「まるで奴隷じゃない…」…年金20万円の義父の介護に身も心もボロボロ「長男の嫁」の悲しい実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

子どもと同居する高齢者世帯は大きく減少

厚生労働省『令和3年国民生活基礎調査』によると、子と同居する高齢者は1,384万2,000人。そのうち、子夫婦と同居するのが361万9,000人、配偶者のいない子と同居するのが1,022万3,000人。子夫婦と同居する高齢者の割合は減少の一途を辿っていますが、配偶者のいないこと同居する高齢者の割合は増加傾向にあります。

 

核家族化の進行、未婚率の上昇など、理由はひとつではありませんが、以前ほど「義親との同居」というケースは減少。「一緒になりたい、でも義親と一緒に住むのは……」と頭を悩ませることも多かった結婚ですが、そんなことも昔話になりつつあります。

 

【子と同居する65歳以上の人の推移】

1989年:853.9万人(60.0%)/601.6万人(42.2%)/252.4万人(17.7%)

1998年:1,037.4万人(50.3%)/644.3万人(31.2%)/393.1万人(19.1%)

2010年:1,257.7万人(42.2%)/520.3万人(17.5%)/737.4万人(24.8%)

2019年:1,352.7万人(35.9%)/375.6万人(10.0%)/977.1万人(26.0%)

2021年:1,384.2万人(36.2%)/361.9万人(9.5%)/1,022.3万人(26.8%)

出所:厚生労働省『令和3年国民生活基礎調査』より抜粋

 

※数値左より子と同居する高齢者の人数/子夫婦と同居する人数/配偶者のいない子と同居する人数

※(かっこ)内は65歳以上の人全体に占める割合

 

また国立社会保障・人口問題研究所『全国家庭動向調査』によると、「年をとった親は子ども夫婦と一緒に暮らすべきだ」の問いに対する賛成割合は低下傾向にあり、2008年では50.8%、2013年では 44.6%、2018年では 34.3%。同じように「年老いた親の介護は家族が担うべきだ」への賛成割合も同様で、2008年63.3%、2013年では 56.7%、2018年では 11.5ポイント低下し 45.2%となっています。