一生添い遂げると誓い合ったものの、夫婦のどちらかが先に亡くなり、独り身になってしまうのは仕方がないこと。そのような場合に備えて知っておきたいのが、1人になったときの年金額です。夫婦では生活するのに十分な額だったのに1人になったときに思わずビックリ! ということも。みていきましょう。
夫婦で月23万円だったが…専業主婦「こんなに少ないなんて…」65歳の夫急逝で唖然とする「激減の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

独り身になったときの支出は「夫婦2人暮らし」の6割

総務省『家計調査家計収支編(2022年)』によると、65歳以上夫婦の1ヵ月の支出は平均24万3,080円。同じく65歳以上で単身者だと男性で14万8,971円、女性で14万8,971円。つまり夫婦2人暮らしの高齢者が配偶者を亡くした時、生活費はちょうど半分程度になるわけではありません。男女で差はあるものの、最終的に妻を亡くした高齢男性も、夫を亡くした高齢女性も、その消費支出は2人暮らしだった時の61%程度になります。

 

【単身高齢者の月支出は高齢夫婦2人暮らしの何%か?】

●消費支出:61.3%/61.3%

(内訳)

食料:59.4%/54.5%

住居:91.6%/84.5%

光熱・水道:64.7%/66.4%

家具・家事用品:43.5%/66.8%

被服及び履物:37.9%/77.5%

保健医療:49.8%/51.8%

交通・通信:65.1%/45.0%

教養娯楽:74.6%/68.9%

その他の消費支出:55.0%/67.3%

 

出所:総務省『家計調査家計収支編(2022年)』より

※数値左より、高齢者夫婦2人暮らしと比較した時の高齢男性単身者の支出割合/高齢女性単身者の支出割合

 

配偶者を亡くし生活費が6割程度になるのであれば、手にする年金も6割程度になるのでしょうか。夫婦ともに65歳だったとして考えてみましょう。前提として現役時代の給与は、男女ともに厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』の平均的な金額を得ていたものとし、国民年金は満額支給とします。

 

①会社員の夫と専業主婦の場合

正社員として20歳から働き始め60歳で現役を引退した夫と、20歳で結婚し専業主婦だった妻の場合。夫が65歳から手にする年金は月16.7万円。妻の年金と合わせると、夫婦で月23.1万円ほどになります。

 

もし夫が亡くなったら、遺族厚生年金は死亡した夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4の額となるので月7.7万円程度。妻本人の年金と合わせて14.1万円となります。もし妻が亡くなったら、夫が手にできるのは自身の年金だけで月16.7万円となります。