がん保険加入時の「3つ」のポイント
1.“とりあえず加入”はキケン…保険は「入ってから」が重要
がん保険加入のきっかけは人それぞれだと思いますが、ひとつ大切なこととして「自分で必要だと感じて加入する」ということが非常に重要だと筆者は考えます。
がんになってしまったときに、どのようなことが大変なのかを知り、そのうえであなた自身にがん保険が必要なのかどうか納得して判断することで、「がん保険契約を大事にしよう」「適切に管理しよう」という思いも生まれるのだと思います。
2.郵便物は必ずチェック
がん保険に加入するということは「保険会社と契約を結ぶこと」ですから、契約上の約束事は必ず守らなければなりません。がん保険の「失効」については、そのなかでももっとも重要な約束事であるといえます。
今回の事例のように、がんの診断を受けてしまってからでは契約を復活させることができません。自分自身が契約当事者としての意識を持ち、保険会社やがん保険の加入手続きをした保険ショップからのお知らせは目を通すようにしましょう。
ポストに入る郵便物には、営業目的のものも多かったりして、いちいち目を通すことが面倒な場合もあるかもしれません。ただ、今回のようなケースもありますから、やはり面倒でも1度開封することが大切です。
3.がん保険と担当者の選択
今回の事例においては、山岡さんが保険会社からの郵便物を確認しなかったことで、がん保険契約の失効という重大な注意事項を認識することができませんでした。もちろん山岡さんの不注意もありましたが、もし山岡さんのがん保険担当者がサポートしていたら、この結果は避けられた可能性があります。
すでに触れてきたように、がん保険はがんにならない限り、そのありがたみを感じる機会がなかなかありません。どうしても時間の経過とともに、加入したときに感じていたがん保険の必要性が薄れていきます。しかし、時間が経過することで年齢も上がっていき、がんになるリスクは上昇しています。
もしあなた自身でがん保険の管理を漏れなく行うことが難しい場合、がん保険の担当者による適切なサポートがあることが望ましいでしょう。
いまはネット上やショップで手軽に保険契約が結べるようになっていますが、保険は加入時の商品選択だけではなく、加入後のサポートについても考慮して加入経路を選択することが重要です。
ぜひこの機会に、あなたのがん保険の担当者は
・なにか疑問があるときに気軽に相談できるか
を確認してみてはいかがでしょうか。もし上記に当てはまらない場合、ご自身でがん保険を適切に維持していく必要があります。
がん保険に関しては、がん治療のトレンドや政府によるがん対策の方針に変化があるため、それに応じてがん保険の見直しが必要となる場合が少なくありません。失効のリスクだけでなく、こうした状況の変化に関する情報を自分で入手し、適切に対応することが難しい場合には、やはりがんをよく知る担当者の存在が重要になってきます。
谷藤 淳一
株式会社ライフヴィジョン
代表取締役