30代で大きく上昇し始める、乳がんリスク。備えとして保険への加入を考える人も多いでしょう。しかし、保険選びを誤り後々後悔する人も少なくないようで……。本記事では4年前に乳がんの診断を受けた沢田さん(仮名)の事例とともに、医療保険の落とし穴について、株式会社ライフヴィジョン代表取締役のCFP谷藤淳一氏が解説します。
年収550万円の37歳女性、乳がん罹患で「医療保険」の給付金34万円に安堵も…4年後に転移。にわかに信じがたい「保険会社からのひと言」【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

保険選びを後悔

東京都杉並区在住、東京都内信用金庫勤務の会社員で年収550万円、41歳の沢田香織さん(仮名)。沢田さんは4年前、早期乳がんの診断を受け、入院・手術。以降経過をみていましたが、3ヵ月前に肺への転移が発覚。そこから3週間に1回の通院で抗がん剤治療を受けてきました。

 

そしてさきほど数回分の治療について、加入していた保険の請求を行ったのですが、加入中の保険からは給付金を受け取れないことがわかり、衝撃を受けました。

 

ただ冷静になってみるとなにか問題があったわけではなく、自分の保険選びが不適切であったことを知り、選んだ保険をいま後悔しています。

初めてのがんでは『がんに手厚い』を実感

沢田さんは35歳のとき、会社の健康診断時に乳がん検診を初めて受けました。これは自分の意思というよりは、仲のよい同期社員数名が受けるということで、それに合わせて沢田さんも念のため受けておこうと思ってのことでした。その同期社員から30代後半から乳がんのリスクが上昇すること、だから乳がん検診と同時に医療保険やがん保険にも加入していることを聞かされ、保険に未加入であった沢田さんも保険について考えるように。

 

同期社員は医療保険とがん保険に加入しているといっていましたが、2つも保険に加入して毎月の経済的負担が増えるのは嫌だとも感じていた沢田さん。そんな思いからインターネットで情報を集めていたところ、バナー広告に『がんに手厚い医療保険』というキャッチコピーを発見しました。

 

あらゆるけが・病気の入院・手術の備えになっていて、さらにがんだけ手厚い保障になっている。しかも保険料試算を行うと4,000円程度で毎月の負担も予算内、「これなら一石二鳥だわ」と沢田さんは早速インターネットで以下の保障内容の保険加入手続きを行いました。

 

■けが・病気での入院:1日あたり1万円保障
■がんでの入院   :1日あたり2万円保障
■けが・病気での手術:1回あたり10万円保障
■がんでの手術   :1回あたり20万円保障

 

それから2年後。再び受けた乳がん検診で沢田さんに早期の乳がんが発覚、入院をして手術を受けることになりました。一週間の入院で手術は無事に終了、幸いがんの転移もなく、その後は経過観察に。がんの入院なので「お金が100万円以上かかるのでは?」と、入院費用を心配していましたが、事前に案内を受けた高額療養費を申請したところ自己負担額は約10万円。想像以上に安くて安心しました。

 

そしてその後加入していた『がんに手厚い医療保険』の請求をしたところ、なんと34万円も受け取れることが判明。それほど深く吟味せずに『がんに手厚い』で選んだ保険でしたが、大正解だったと沢田さんは感じました。