NHKの受信料のしくみ
まず、前提として、NHKの受信料のしくみについて解説します。
放送法上、テレビを設置している場合は、NHKとの間で受信契約を結ぶ義務があります。昨今、この受信料制度の是非がさかんに議論されていますが、ここでは立ち入りません。
NHKの受信料は、特殊なものを除き、「地上契約」と「衛星契約」の2種類があります。
契約は1世帯につき1契約です。つまり、テレビが複数台あっても契約は1つということです。自家用車にテレビがあっても、住居の一部とみなします。また、テレビ放送を受信できるものであれば、自動車に備え付けられているカーナビもテレビとみなされます。
最近はめっきり少なくなりましたが、「ワンセグチューナー」等を搭載したテレビ放送を受信できる携帯電話も同様です。
特に注意しなければならないのは、テレビが衛星放送を受信できる場合、地上デジタル放送しか観ていない場合でも「衛星契約」を選ばなければならないということです。
なお、2023年4月から受信契約の申込期限が設けられました。期限は「受信機を設置した月の翌々月の末日まで」です。
たとえば、2023年4月29日にテレビを初めて設置した場合、2023年6月30日までに受信契約を済ませなければなりません。
受信契約の申込はインターネットからいつでも行うことができます。
現在は「12ヵ月前払+クレジットカード払」が最もお得
受信料は、地上契約と衛星契約のそれぞれについて、「支払いコース」と「払込方法」に応じてきめ細かに定められています。また、沖縄県とそれ以外の都道府県とで異なります(各【図表】参照)。
支払いコースは「2ヵ月払」→「6ヵ月前払」→「12ヵ月前払」の順に安くなります。
また、払込方法は「振込」→「口座振替・クレジットカード払」の順に安くなります。
したがって、「12ヵ月前払」かつ「クレジットカード払」にすると最も安くなります。
「沖縄県以外」で1年あたりの受信料総額で比べると、地上契約の場合、「2ヵ月払」かつ「振込」が14,700円なのに対し、「12ヵ月前払」かつ「口座振替・クレジットカード払」が13,650円と、年間1,050円(7.14%)安くなります。
また、衛星契約の場合、「2ヵ月払」かつ「振込」が26,040円なのに対し、「12ヵ月前払」かつ「口座振替・クレジットカード払」が24,185円と、年間1,855円(約7.12%)安くなります。
さらに、クレジットカード払にすると、還元率に応じたポイントがつくので、その分、事実上、割引を受けたのと同じ効果があります。
なお、2023年10月から受信料の改定が行われます。それによる影響については後述します。
ケーブルテレビ加入者は「団体一括払い」で月200円割引
ケーブルテレビに加入する場合、「団体一括払い」というさらに割安な方法があります。
これは、ケーブルテレビ会社にNHK受信料をケーブルテレビ利用料と一括してまとめて支払うものです。1件あたり月額200円の割引(年間2,400円の割引)を受けることができます。