たびたび問題になる、非正規社員と正社員、雇用形態による給与格差。多くの非正規社員が「正社員になりたい……」と悲痛の叫びをあげるなか、「正社員にはなりたくない」という人も。みていきましょう。
平均月収24万円だが…「正社員なんてバカバカしい」と吐き捨てる「氷河期世代・40代・非正規社員」驚愕の給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

氷河期世代…非正規だけじゃない!正社員だってつらい思いをしている

――ブラックすぎて、死にそう

――もう会社を辞めたい

 

片や、そんな書き込みをしたのは40代後半の正社員の男性。長時間労働の毎日で、そろそろ限界だといいます。ふたりが学卒で就職活動を行っていたころは、いわゆる「就職氷河期」。有効求人倍率が1.0倍を割り込んでいたころで、学校を卒業したものの、正社員で就職できず、非正規社員として社会人をスタートさせた人も大勢いました。

 

また、いまよりも労務環境が良くなく、「首をきられたら大変」と、労働者が圧倒的不利だった時代。正社員になっても、いわゆる「ブラック企業」「ブラック労働」で疲弊する人たちも多くいました。その“沼”から抜け出せずに今日に至る氷河期世代も実に多いのです。

 

そんな不遇の世代でも高給を獲得する人たちもいます。

 

――正社員なんてバカバカしい

 

そう投稿したのも、コンサル業だという、40代後半、非正規社員の男性。他の非正規社員とは異なり「年収1,000万円を超えるか、超えないか」と驚きの給料事情を明かしています。

 

そもそも正社員とはフルタイム勤務、無期雇用、終身雇用を想定した労働者のこと。正職員、正規社員などと呼称する企業もあり、給与は日給月給制(月給額が欠勤等で控除される給与制度)を採用しているところがほとんどです。一方、正社員以外を総称して非正規社員と呼び、基本的に有期雇用。パートやアルバイト、契約社員、派遣社員などを指し、準社員と称する企業もあります。

 

前出の厚生労働省の調査によると、40代後半の非正規社員の月収の中央値は21.9万円。上位25%で26.5万円、上位10%で33.2万円。年収1,000万円クラスの非正規社員は0.1%ほどと、かなり限られた存在です。

 

男性の歩みは同世代と同じ。正社員としてキャリアを歩み始めたものの、パワハラまがいの上司に苦労したといいます。「もうやっていられない」と退職し、以来、非正社員としてキャリアを重ねています。ただ「専門性が評価された」と男性。しかも最近はニーズの高まりもあり時給は上昇しているといいます。

 

しかし非正規社員のため、正社員に比べると不安定であることは事実。それでも「もう正社員には戻りたくない」と男性。「今後の日本で“安定”なんて考えられるのか」と疑問を投げかけます。終身雇用、年功序列……日本型の雇用形態が見直されるなか、確かに正社員にしがみつくことはリスクなのかもしれません。