マイホーム…年金生活突入前にローン地獄から解放されるには
2018年に行われた総務省『住宅・土地統計調査』によれば、日本人の持ち家率は61%。年齢別にみていくと20代で6.4%、30台で35.7%、40台で57.6%、50台で67.6%、60台以上で79.8%。年齢とともに上昇していきます。
20年前の調査と比較して40代であれば66.6%→57.6%、50代であれば74.9%→67.6%と減少していることから「日本人の持ち家離れ」が進んでいるといわれます。それでも6割が持ち家なわけですから、サラリーマンであれば「いつかはマイホーム」と夢をみるのも当然です。
そこで気になるのが、いったいいくらくらいお金がかかるのか。人生の三大出費は、家、(子どもの)教育、保険といわれますが、なかでも桁違いにお金がかかるのが、やはり家です。
国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』によると、注文住宅(土地を購入し家を建てる)購入者(世帯主)の平均年齢は40.0歳、世帯年収は733万円です。購入資金は総額4,879万円で、自己資金比率は17.3%、返済期間は住宅建築で32年、土地購入34年。これが戸建てでマイホームを実現した人の平均像となります。
仮に返済方式は元利均等、金利は0.5%、返済期間は30年とすると、利息は総額311万0,872円で、月々の返済額は12万0,752円になります。年収に占めるローン返済総額の割合である、返済負担率は19.7%。比較的余裕のある返済プランだといえるでしょう。
40歳で借入したとして、30年ローンだと完済は70歳。できれば年金生活に突入するであろう、65歳には完済しておきたいもの。仮に25年ローンを組んだ場合は、月々14万3,144円の返済で、負担率は23.4%。適正ではあるものの、負担は大きくなります。
完済期間の前倒しなら、繰上返済という方法も。30年ローンを前提として、たとえば10年ごとに300万円ほど返済すれば完済時期は5年前倒しで、65歳でローン地獄からは解放されます。
はじめから返済期間を短くするか、それとも繰上返済で返済期間の短縮を狙うか。自分たちにあった方法を選択するといいでしょう。