物価高が続いているなか、逼迫する家計。少しでも何とかしようと、外食は控えて自炊に目覚める20代男子の姿があります。ただ若者の生活苦は、物価上昇だけが原因ではないようです。みていきましょう。
手取り20万円・都内1人暮らしの20代男子「もやし1袋19円」に歓喜…貧困化する大卒サラリーマンの根本原因 (※写真はイメージです/PIXTA)

物価高、自炊に切り替えで知った「もやし19円」の喜び

どこまで続くか、物価高。スーパーに買い物にいくたび、ため息がこぼれ、商品をとろうと思って伸ばした手は思わず引っ込めてしまう……。そんな人も多いだろう、今日この頃。

 

――もやし一袋19円、神!

 

そう歓喜の声を投稿したのは、都内在住、大卒だという20代後半のサラリーマン男性。製造業で平均的な給与はもらっているといいますが、最近は物価が高く、外食は控えて自炊を心がけているのだとか。総務省統計局『小売物価統計調査』によると、2023年3月、もやし1㎏の平均価格は184円。1袋だいたい200〜250gで売られているので、昨今は36〜46円でもやしが手に入るといったところ。1袋19円、確かに「神」です。

 

痩せている人を「もやし」と例えることから、もやしは栄養がないと思われがちですが、そんなことはなく、栄養豊富で1人暮らしの強い味方。カルシウムにカリウム、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維も豊富、なのに低カロリー&低糖質。一般的に土や肥料、農薬などを使わずに生産されるから、基本的に水洗いしなくてもOK。さっと茹でたり、数分レンチンしたり。調理が苦手、という人も重宝する食材です。前出の男性は、この機会に5袋を購入。「これで3日は過ごせる!」と喜びの声をあげていました。

 

総務省統計局『家計調査 家計収支編』(2022年平均)で、独身勤労世帯の1ヵ月家計をみていくと、34歳以下で平均支出は15.8万円、35~59歳で平均18.6万円。ただ住居費は地域差が大きかったり、持ち家(持ち家率:34歳以下で5.3%、35~59歳で45.9%)の人も合わせた平均値なので、住居費をの除けば、12.1万~15.5万円ほどが、住居費を除く平均な支出額で、賃貸派であればそこに家賃がプラスされる、というイメージでしょうか。

 

【独身・勤労世帯の1ヵ月の支出】

食料:34,385円/42,899円

住居:36,676円/30,966円

光熱・水道:9,272円/12,352円

家具・家事用品:3,577円/5,359円

被服及び履物:7,643円/5,722円

保健医療:5,348円/7,150円

交通・通信:20,084円/24,621円

教養娯楽:21,908円/19,790円

その他の消費支出:19,306円/37,644円

 

出所:総務省統計局『家計調査 家計収支編』(2022年平均)より

※数値左より、34歳以下/35~59歳