新築マンションの価格は高騰を続け、さらに金利は上昇するのか、しないのか……マイホーム実現に向けてのハードルは高くなるばかり。そのようななか、すでに住宅ローンを利用している人たちのもとには「うちのほうが金利いいですよ」と借り換えの提案が増えているといいます。しかし、その気になって申し込んだものの、驚きの結末に狼狽える人たちも。みていきましょう。
「審査に落ちた、悲しい…」月収51万円・大手IT企業勤務・53歳のサラリーマン「住宅ローンの借り換え」意外な盲点 (※写真はイメージです/PIXTA)

新築マンションが高すぎる!庶民の夢が遠のく現実

3月の首都圏の新築マンション1戸あたりの平均販売価格が1億円超えというニュースは、大きく報じられました。これは不動産経済研究所から発表されたもの。「もうマイホームなんて夢のまた夢……」と、絶望感に包まれた人もいるでしょう。

 

ただこれは、1戸あたり平均4億円という「三田ガーデンヒルズ」など、都心に戸数が多い高級マンションが誕生したことが大きく、極端な価格上昇となりました。

 

とはいえ、土地価格の上昇、建築費の高騰で、新築マンション価格は上昇傾向に変わりはありません。同じく、不動産経済研究所による2022年度の平均価格は、東京23区で9,899万円、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)で6,907万円でした。

 

新築マンションの購入者の平均年齢(世帯主)は40歳。そのような家庭の平均的な収入事情は以下の通り。夫婦共働きなら世帯年収は58万円ほど、片働きだと46万円ほど。これが平均的な収入です。

 

【世帯主40~44歳世帯の収入事情】

世帯人数:3.79人

世帯主の配偶者のうち女性の有業率:63.6%

世帯主収入(うち男性):46万7,824円

世帯主の配偶者の収入(うち女性):11万4,831円

 

出所:総務省『家計調査 家計収支編』(2022年平均より)

 

平均値通り物件価格の20%を入れて、首都圏の平均的な新築マンションを購入したとしましょう。返済方式は元利均等、金利は0.5%、返済期間は25年とします。結果、利息分は353万6,384円、月々の返済額は19万5,955円となります。

 

ローンの適正額は、年収に対する返済負担率は20%程度、毎月の手取りで考えるなら1/3に収まるようにしたい、とよくいわれるもの。そう考えると、共働きであれば適正ではあるものの、片働きだとかなり厳しいことが見えてきます。

 

庶民が夢を叶えるのは、結構な厳しさです。