残された家族にとって、まさに命綱といえるのが「遺族年金」。もし両親とも亡くなったとき、子どもはいくら手にできるものなのなのでしょうか。考えてみましょう。
月収42万円・50歳サラリーマンの父に続き、母まで亡くなりました…残された子どもが受け取る「衝撃の遺族年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

そもそも「遺族年金」とは?

国民年金や厚生年金保険の加入者が亡くなったとき、その人によって生計が維持されていた遺族が受け取れる「遺族年金」。

 

「生計を維持されていた」とは「生計を同じくしていること(生計同一要件)」と「収入が一定未満であること(収入要件)」の2つを満たしている必要があります。

 

「生計を同じくしていること」は、

 

・住民票上、同一世帯である場合

・住民票上、世帯は別であるが住所が同一である場合

・住所が住民票上異なっているが、現に起居を共にし家計を一にしている場合

・単身赴任や就学などにより住所が住民票上異なっているが、経済的な援助や定期的な音信・訪問が行われている場合

 

といったケース。つまり、同じ家に住む生活を共にしていたり、離れて暮らしているけど仕送りをしていたり、といった場合、「生計を同じくしている」と認定されます。

 

収入要件は、

 

・前年の収入が850万円未満、もしくは前年の所得が655.5万円未満である場合

・定年退職等により近い将来(概ね5年以内)、収入または所得が上記に該当することが見込まれる場合

 

といったケース。一時的な収入・所得は除外され、また前年の収入・所得が確定していない場合は、一昨年の収入・所得で判断します。

 

遺族年金の話に戻りましょう。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。「遺族基礎年金」の対象は、子のある配偶者、または子です。子は下記のいずれかに当てはまることが条件です。

 

・18歳になった年の3月31日に到達していない子

・20歳未満で障害年金の障害等級が1級か2級の子

 

遺族厚生年金は、子のいない30歳未満の妻でも5年間は受給可能。遺族基礎年金の受給要件に当てはまる妻と子は、遺族厚生年金の受給も可能です。

 

◆会社員の夫が死亡した…

子どもが18歳の年度末までは妻が遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取れます。その後65歳までは、遺族厚生年金と中高齢寡婦加算の対象です。

 

◆会社員の妻が死亡した…

遺族基礎年金は子どもを持つ配偶者が対象とされているため、条件を満たしていれば夫も受給できます。遺族厚生年金は、子どもに受給権があります。夫が遺族厚生年金を受け取るには、妻の死亡時に夫の年齢が55歳以上であることが条件です。ただしすぐに受け取れるわけではなく、受給開始は60歳からと決められています。