急激な物価高のなか、やはりリーズナブルでコスパがいい商品・サービスは世間の味方。多くの人から“神”と称されることもありますが、それでも「高い!」と嘆く人もいるようで。みていきましょう。
月収18万円「サイゼリヤさえ贅沢」40代・非正規社員「生まれる時代が悪かった」現世に見切り (※写真はイメージです/PIXTA)

企業の本音「氷河期世代なんて、いらねぇ」

40代の非正規というキーワードで連想されるのは、氷河期世代。バブル崩壊後の1993年から2005年卒業で就職活動に差し掛かった年代を指し、2023年、高卒であれば37~49歳になる人たち、大卒であれば41~53歳になる人たちです。就職活動期に有効求人倍率が1を割り、1998年には新規求人倍率は0.9まで下降。正社員での就職が叶わず、フリーターや派遣社員として社会人をスタートさせる人も珍しくありませんでした。

 

2005年以降、雇用環境が改善しましたが、既卒者には厳しい環境は続き、特に正社員になったことのない人には、極めて厳しい状況のまま今日に至ります。

 

コロナ禍が明けようとするなか、各所で人手不足といわれていますが、多くの企業で望むのは将来有望の若手人材と、即戦力となる経験者。やはり非正規のまま今日に至る氷河期世代にお声はかかりません。

 

東京都労働局『令和3年度 職業安定業務年報』で、年齢別の有効求人倍率(一般常用、および常用的パートタイム)をみていくと、2021年、年齢全体では1.09倍。各年代をみていくと、40代後半で0.86倍。現役世代のなかでも、氷河期世代はのぞまれた存在ではないことがわかります。

 

【年齢別「有効求人倍率」(2021年)】

19歳以下:12.59倍

20代前半:2.16倍

20代後半:1.09倍

30代前半:1.18倍

30代後半:1.20倍

40代前半:1.09倍

40代後半:0.86倍

50代前半:0.80倍

50代後半:0.90倍

60代前半:0.71倍

 

出所:東京都労働局『令和3年度 職業安定業務年報』より

 

前出の40代男性が仕方がなく非正規社員を続けているのか、それとも望んで非正規社員を続けているのか、分かりませんが、「生まれる時代が悪かった」と嘆く多くの氷河期世代をみている限り、前者であろうと推測されます。政府は声高らかに氷河期世代の就職支援をうったえるものの、「キャリアのない人はいらない」というのが企業側の本音。浮上の可能性は、限りなくゼロに近いといえるでしょう。

 

――現世は諦めた

――もはや、時代を呪うのも無意味

 

時代に翻弄された氷河期世代。すでにゲームセットといった雰囲気です。