要支援・要介護者のいる世帯の4軒に1軒はおひとり様
厚生労働省『国民生活基礎調査の概況(2019年)』によると、要支援・介護者のいる世帯のうち、ひとり暮らしが28.3%と4人に1人以上、夫婦のみの世帯が22.2%となっています。
支援・介護の必要なひとり暮らし高齢者についてみていくと、要支援(要支援1、2の合計)が41.4%、要介護(要介護1~5の合計)が55.7%。要介護1が20.4%、要介護2が16.9%、要介護3以上が18.4%となっています。
長寿化が進むなか、いずれは介護が必要になるのは当然のこと。ただひとり身のほうが、自身の介護問題に直面したときにどうすべきか、切実な問題といえるでしょう。
『令和4年高齢者白書』によると2020年、ひとり暮らしの高齢者は671万世帯。その内訳は、単身男性の高齢者が230.8万世帯、単身女性の高齢者が440.9万世帯となっています。さらに今後、ひとり暮らしの高齢者は、2030年に795万世帯、2040年に896万世帯へと増加すると推測されています。
要支援・要介護の認定を受けても、介護サービスを利用しながらひとり暮らしを続けることはもちろん可能。長年、住み慣れた家であれば、「最期までここで」と考えるのも当たり前のことです。
ただ、食事をとるのも難しくなることで栄養状態が悪化したり、認知症を発症したり、歩行が困難になったり……自立した生活ができなくなるなかで、ひとり暮らしに限界を感じるケースは多くあるでしょう。そうなると、施設への入居も積極的に検討したいところです。
――でも老人ホームって抵抗がある
そういう人もいるでしょう。確かに、昭和のころは「老人ホーム=姥捨て山」といったイメージをもつ人は多く、お世辞にも素敵なところとは言い難いものがありました。しかし最近は要支援・要介護の認定を受ける前に入居できる自立型の施設もありますし、以前とはほど遠い、明るい雰囲気の施設ばかり。生活の質をあげるためにも、施設への入居を検討している人が増えているといわれています。