一般的に年齢を重ねるごとに給与が増えていく日本のサラリーマン。ピークに達するのは50代だといわれていますが、誰もが順調に進むわけではありません。なかには「がんの宣告」という、予期しない事態に直面する人も。みていきましょう。
月収52万円・50代の大卒サラリーマン、突然の「がん宣告」に狼狽…いったい「治療費」はいくらになるのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

50代は会社員としてのピークだが…

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与は月収(所定内給与額)40.05万円、年収は658万円。20代前半で月23万円の給与は、年齢があがるごとに昇給し、50代で後半で月52万円でピークに。60歳定年を迎え、希望する人は再雇用という形で65歳くらいまで働くのが昨今のスタンダードとなっています。

 

【年齢別・大卒サラリーマンの給与推移】

20~24歳:235,800円/3,192,732円

25~29歳:273,400円/4,150,212円

30~34歳:321,700円/4,947,746円

35~39歳:378,500円/5,855,395円

40~44歳:418,400円/6,514,488円

45~49歳:460,600円/7,222,208円

50~54歳:506,900円/8,069,848円

55~59歳:525,700円/8,327,088円

60~64歳:420,600円/6,245,910円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値は左より月収(所定内給与額)/年収

 

しかし、誰もが順調にキャリアを歩んでいけるとは限りません。不測の事態に、急にキャリアがストップすることも珍しくありません。たとえば、国民の2人に1人がなるとされる「がん」。

 

国立研究開発法人国立がん研究センターによると、2021年にがんで死亡した人は38万1,505人。男女別にみると男性が22万2,467人、女性が159,038人。また日本人が一生のうちにがんと診断される確率(2019年データによる)は男性で65.5%、女性で51.2%でした。

 

またがんの罹患数(2019年データによる)では肺がんが最も多く、大腸がん、胃がんと続きます。男女別では、男性では、肺、大腸、胃、女性では大腸、肺、膵臓と続きます。

 

さらに厚生労働省『平成30年全国がん登録罹患数・率報告』で全部位の年齢階級別罹患率(人口10万人あたり)をみていくと、男性は40歳未満の階級では100未満で低く、60歳以上で1,000を超えます。女性は30歳未満で100未満であり、65歳以上で1,000を超えます。

 

また男性に多い5つのがん(大腸、前立腺、胃、肺、肝、肝内胆管)の罹患率をみていくと、大腸は50代前半から増加傾向が見られ、胃、前立腺、肺については、50代後半から増加しています(図表1)。

 

一方、女性に多い乳房、大腸、子宮、肺、胃についてみていくと、乳がんは30代前半から急増し、45~49歳で最初のピークを迎えた後減少、65~69歳での2回目のピークを迎えます。大腸は、男性同様に50代前半から既に増加傾向が見られ、胃と肺も50代後半から増え始めます。子宮は乳房よりさらに増加する年齢が低く20代後半から緩やかに増加し、50~59歳でピークを迎えます(図表2)。

 

出所:厚生労働省『平成30年全国がん登録罹患数・率報告』より
【図表1】男性、部位別(大腸、前立腺、胃、肺、肝、肝内胆管)がん罹患率 出所:厚生労働省『平成30年全国がん登録罹患数・率報告』より
出所:厚生労働省『平成30年全国がん登録罹患数・率報告』より
【図表2】女性、部位別(乳房、大腸、子宮、肺、胃)がん罹患率 出所:厚生労働省『平成30年全国がん登録罹患数・率報告』より