体力的に厳しく給与も決して良くはない…77歳・新聞配達員
明け方4時、新聞がポストに投函される音や新聞配達員が乗るバイクの音で目を覚まし、「こんな朝早く……新聞配達員はすごいなあ」と関心した覚えのある人は多いでしょう。
そんな新聞配達員が話題になることがあります。
――77歳、新聞配達アルバイトの女性
事故のニュースで話題になったのは、事故の内容よりも、その年齢でした。「えっ、そんな年齢になって新聞配達を!?」多くの人が言葉を失ったかもしれません。この手のニュース、事件・事故そのものよりも、配達員の年齢がクローズアップされるのはもはや定番といったところでしょうか。
新聞配達員は入職にあたり、特に学歴や資格は必要とされず、13歳以上の中学生であっても、親や中学校、労働基準監督署の同意・許可があれば、配達員のアルバイトをすることができます。
新聞販売所は新聞の発行本社と新聞の販売・送達契約を結ぶ独立事業者であることが多く、特定の新聞社と契約している「専売店」と、新聞社と契約しながら他紙も併用して扱う「複合店」、複数の新聞社と契約を結ぶ「合売店」があります。雇用形態はパート・アルバイトが占める割合が非常に高く、奨学金を受けながら大学等に通う学生も。
配達区域や軒数は地域や人によってまちまちですが、通常、都市部の場合は150~300軒程度。朝刊の場合、折り込み広告をいれて配達がおわるまで、2~4時間程度かかります。また新聞の休刊日は多い新聞社で年12回程度で、休みは交代制というケースが多いようです。朝刊の配達は朝が早いうえ、雨や雪など、天候が悪いからといって配達を休むわけにはいきません。かなりの体力と責任感を必要とします。
大手求人サイトによると、新聞配達員の平均時給は1,070円。1日平均5時間労働で、週休2日だとすると月収は12万円、手取りにすると月10万円程度。割のいい仕事とはいえないでしょう。
中学生でもアルバイトができるというハードルの低さの一方で、悪天候でも休めないなど仕事内容はハード。さらに給与事情も良いとはいえないため、なり手も少なめ。2021年度の有効求人倍率は0.84倍と1倍を下回っています。