厚生労働省より『令和4年賃金構造基本統計調査』の結果が公表され、労働者の最新の給与事情が明らかとなりました。今回は職業別に給与の実態をみていきましょう。
職業別「平均年収」ランキング…44歳医師「年収1,400万円」を超える「No.1高給取り職業」驚愕の給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

企業規模で給与格差の大きな職業は?

男女別にみていくと、男性のトップ3は変わらず、「航空機操縦士」「医師」「大学教授(高専含む)」。女性のトップ3は「医師」「大学教授(高専含む)」「法務従事者」。「航空機操縦士」は5位で平均年収は873万円でした。

 

これらの数値は、あくまでも雇用者としての職業ランキング。高給の代名詞である医師に関していえば、この数値は勤務医としてのもの。開業医は含みません。同じようにフリーランスで活躍している人たちもこれらの数値には含まれないので、実情とは少々違う部分もあるかもしれません。

 

さらに今回、雇用者としての職業ランキングということで、やはり勤め先の規模によって格差は生じるもの。大企業の給与、中小企業の給与、格差が大きい職種をみていきましょう。

 

大企業(従業員1,000人以上)と、中小企業(従業員30~99人)で給与差が最も大きい職業は「航空機操縦士」で給与差2.79倍。続いて「著述家、記者、編集者」で2.02倍。「美術家、写真家、映像撮影者」1.91倍、「鉄道運転従事者」1.75倍、「車掌」1.72倍と続きます。格差が大きな職種の場合、より大きな会社へ転職できれば、給与アップが望める、といえるでしょう。

 

一方で企業規模による給与格差が最も小さいのは「医師」で0.72倍。つまり規模の大きな病院に勤める医師よりも、規模の小さな病院に勤めている医師のほうが高給取りということになります。そんな職業は、医師のほかに12職種。これらの職業では「大企業有利」という一般論は通用しないといえそうです。