2023年1月に投稿された「年金」を含むツイートが何を契機に投稿されたかを考察するために、ツイートに含まれるリンクなどを分析。その結果、国会議員の年金保険料未納疑惑を伝えるツイートやWebページ、受給開始年齢に関する5ちゃんねる掲示板のスレッドや月額40万円の年金では足りないというテレビ番組の街頭インタビューを紹介するツイートなどが、多くの投稿者の投稿契機になっていました。ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫氏によるレポートです。
国会議員の年金保険料未納疑惑や受給開始年齢が年金ツイートの契機に…「年金」を含むツイートの投稿契機 (2023年1月) (写真はイメージです/PIXTA)

5ー総括:大きな話題に加え、5ちゃんねる掲示板やテレビ番組に関するツイートも投稿契機に

分析対象となった年金ツイートでは、次のような傾向が観察された。

 

2023年1月に投稿された年金ツイートは約16万件で、改革案が話題になった10月(約23万件)と比べて少なかったものの、前月(約13万件)や前々月(約14万件)よりは多かった。

 

ツイートを投稿契機としたものとWebページを投稿契機としたものの双方で、国会議員の年金保険料未納疑惑が多くの投稿者の投稿契機となっていた。

 

この話題以外に、ツイートを投稿契機とした年金ツイートでは年金の受給開始年齢に関する5ちゃんねる掲示板のスレッドや月額40万円の年金では足りないというテレビ番組の街頭インタビューの紹介が、Webページを投稿契機とした年金ツイートでは海外で行われた年金制度改正に反対するストライキや2023年度の年金額に関する記事が、多くの投稿者の投稿契機となった。

 

ツイートを投稿契機とした年金ツイートとWebページを投稿契機とした年金ツイートの双方で同じ話題が主な投稿契機になった点は、年金ツイートの投稿数が多かった2022年9月下旬~10月5と同じ傾向であった。大きな話題がある時は、ツイートを投稿契機とした年金ツイートとWebページを投稿契機とした年金ツイートの双方で投稿者が増え、その影響を受けて単独投稿の投稿者も増えて、月間の投稿数が増える傾向がうかがわれる。

 

他方で、ツイートを投稿契機とした年金ツイートで、年金には言及していないニュースを年金に結びつけたツイートやテレビ番組の内容を紹介するツイートが投稿契機になった点は、年金ツイートの投稿数が少なめだった2022年11月6や12月7と同じ傾向であった。年金に関する大きな話題がなくても、このようなツイートが年金ツイートの投稿契機になる可能性が推察される。

 

*5:拙稿「2020年に公表されていた厚労省の試算が年金ツイートの契機に-「年金」を含むツイートの投稿契機 (2022年9月下旬~10月)」

*6:拙稿「負担感や世代間格差に関する記事や画像が年金ツイートの契機に-「年金」を含むツイートの投稿契機 (2022年11月)」

*7:拙稿「2022年10月に話題になった改革案や園児の募金が年金ツイートの契機に-「年金」を含むツイートの投稿契機 (2022年12月)」