(※写真はイメージです/PIXTA)

相続に関するテーマは、とてもセンシティブで、それゆえになかなか話しづらいものです。そのため、その知識量は個人差が大きいと言われます。人生100年時代と言われているため、実際に相続が起こるタイミングはかなり先になるかもしれません。しかし、人がいつ病気や事故でなくなるかは誰にも分かりません。ですが事前に知識を手に入れ、対策することでリスクを軽減することができます。資産コンサルティング業務を行う田邉陽吉氏が解説します。

相続のファーストステップ「納税」

まずは、相続の3つの項目の内、手始めとなる「納税」について考えていく。納税とは読んで字のごとく、相続税がいくらかかるのかを計算し、その相続税を納税するだけの資金がきちんと準備されているかどうかを明らかにするという段階である。

 

自分の資産にそもそも相続税がかからないのであれば、大きく対策を企てる必要はない。相続税がかかるのであれば、いくらかかるかによって打つ対策を変える必要がある。

 

そのため、まずは資産を整理する必要があるが、資産が複数に分かれている場合、手間がかかるため、ファイナンシャルアドバイザーや税理士に外注するという方法もある。

資産に相続税がかかるか否かが分かるカンタン計算法

資産の相続税評価額を算出し、次はおおよその相続税額を計算する。相続税には、誰でも使える基礎控除があり、3,000万円+600万円×法定相続人の金額は非課税となる。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
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例えば、総資産4,000万円の35歳・エリート会社員の男性と専業主婦の奥様と、お子様1人の家族構成で、会社員男性が突如逝去した場合、計算式を当てはめてみると4,200万円までの資産には相続税はかからないので、奥様とお子様に相続税はかかりません。この計算式を用いることで、ざっくり自分には相続税がかかるのかどうかというのがわかる。

 

控除を超える分に関しては、相続税がかかるため、それを支払うための資金の準備が必要である。

 

この際、私たちはよくお客様個人のバランスシートを作成する。左側に各資産を入れ、右側には純資産と相続税額を入れる。これを作成すると、相続税を支払うだけの現金があるかどうかが分かるのだ。

相続税分はキャッシュもしくは死後、短期間で現金化できる保険加入の事前準備が必須

前述したように不動産や株式の割合が高すぎる場合、相続税を支払えないというケースが存在する。そのため、相続税を計算し、まずは相続人が相続税を払える分はキャッシュもしくは保険に加入し、すぐに現金化できるような状態にしておく必要がある。

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