(※写真はイメージです/PIXTA)

税制は、税負担の公平確保、経済社会の変化に対応できるようにするため、毎年見直しが実施されています。本来であれば支払う必要のない税金を無駄に支払わないようにするためには、2022年度(令和4年度)の税制改正大綱の内容を確認しておくことが重要です。税制改正大綱の内容を振り返ってみましょう。

法人に影響を与える税制改正

日本経済はコロナ禍で低迷しているため、経済を立て直すために中長期的な成長を実現する必要がありました。

 

そこで、以下の4つが税制改正大綱に盛り込まれました。

 

▶大企業向け賃上げ税制

2022年度の税制改正大綱では、適用要件が、「新規雇用者に対して支給する給与等の増加割合が102%以上」から、「継続雇用者に対して支給する給与等の増加割合が103%以上」という条件に変わりました。

 

しかし、上乗せ要件を全て満たした場合の税額控除率が最大20%から最大30%に引き上げられているため、積極的な賃上げに対する優遇が大きくなったと言えるでしょう。

 

▶中小企業向け賃上げ税制

2022年度の税制改正大綱では、最大税額控除率が最大25%から最大40%に引き上げられました。

 

上乗せ要件の追加・緩和があったため、中小企業についての控除が拡充されたと言えます。

 

▶オープンイノベーション促進税制

2022年度の税制改正大綱では、対象となるスタートアップ企業の条件に「売上高に占める研究開発費の割合が10%以上、かつ、会社が赤字の場合は設立の日以後15年未満」が追加されました。また、特定株式の損益算入対象期間が3年以内に短縮されました。

 

この改正によって、オープンイノベーションのさらなる促進が期待されています。

 

▶5G投資促進税制

2022年度の税制改正大綱では、一部要件の変更、対象資産の変更といったように、大きな見直しが行われました。


認定特定高度情報通信技術活用設備の取得又は製作若しくは建設をして、これを国内にある事業の用に 供した場合(貸付けの用に供した場合を除きます。)には、その事業の用に供した事業年度において、特別 償却と税額控除のいずれかの税制優遇措置を受けることができます。


この改正によって、インフラにかかる企業の多様化、基地局のオープン化を目指し効果的にインフラが整備されることが期待されています。

まとめ

税制は、経済状況に合わせて新設されるだけでなく、現行制度の修正や廃止などの見直しが毎年実施されています。

 

税制改正の内容を把握しておかないと、税計算を誤り、無駄な税金を納めることになるので注意が必要です。

 

税の専門家である税理士にサポートを依頼すれば、複雑な税額計算で失敗せず、税制改正後も税制上の優遇を活用して法人税の負担を軽減することが可能ですが、税理士にはそれぞれ得意・不得意があることが一般的です。税制は年を追うごとに複雑になっており、一人の税理士の知識には限界があります。セカンドオピニオンとして、他の税理士事務所へのご相談なども実施されてはいかがでしょうか。

 

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