「祝!合格」と目にすることも多い季節。実際に我が子の進学が決まった、という人も多いでしょう。しかし、子どもの進学を素直に喜ぶことのできない、高収入サラリーマンの姿が……みていきましょう。
年収1,200万・40代の勝ち組サラリーマン「第1志望、合格!」と喜ぶ息子を素直に祝福できないワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

高収入サラリーマンでも「高い!」と感じる、大学進学でかかる教育費

受験シーズンも後半戦に突入。そんななか、ネット上にはいち早く桜が咲いたという喜びの声があふれています。

 

――息子、第一志望に合格しました

 

そう報告のつぶやきをしたのは、40代だというサラリーマン。しかし「正直な話、自分は高属性のサラリーマンで、年収は1,200万円を超えるが」と、少々自慢まじりのつぶやきに続き、「喜ぶ息子を100%祝福できず」と結んでいます。

 

そもそも年収1,200万円を超えるサラリーマンは、はっきりいって「勝ち組」の部類。仮に賞与がサラリーマン(正社員)の平均3.17ヵ月分だとすると、月収(所定内給与額)は80万円。この額を超える給与を得ているのは、40代後半のサラリーマンの1.48%。サラリーマン全体でも1.40%というレベル。大卒に限っても、40代後半では3.06%、大卒サラリーマン全体で2.70%と、明らかな「勝ち組」です

 

*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

 

そんな、誰もが羨む存在でありながら、息子の合格を心から喜べないなんて……。そう思うかもしれませんが、高収入とはいえ、それほど台所事情に余裕はないようです。

 

文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査』によると、私立大学の初年度納付金は平均135万7,080円。文系学部・理系学部でみていくと、文系は平均118万8,991円、理系156万6,262円。さらに医歯系学部になると489万0,539円になります。

 

順調に4年で卒業できたとしたら、文系学部で407万円、理系学部で551万円。医歯系学部は6年で2,300万円ほどかかる計算です。

 

もちろんこれは学費だけ。さらに下宿となると毎月の仕送りも結構な額。全国大学生活協同組合連合会『第57回学生生活実態調査』(2022年3月1日公表)によると、自宅生の生活費は6万3,630円、下宿生は倍の12万5,280円。そのうち仕送りは7万1,880円。下宿であれば、年間86万円ほどの出費となります。

 

子どもの学費プラスαで、私立理系学部であれば月20万円程度の出費となります。