※画像はイメージです/PIXTA

金融商品の配当金や譲渡益が非課税になるという大きなメリットから、すでに活用している人も多いNISA。令和5年度税制改正大綱により、2024年からNISAの制度内容が大きく変わることが示唆されました。本記事では、制度の変更点を公認会計士・税理士・不動産鑑定士の冨田建氏がわかりやすく解説します。

そもそも「NISA」とは?

株式・投資信託等から得た配当金が“5年間”非課税となる「一般NISA」

そもそも現行の一般NISAがなにかをご存じでない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に説明を。一言でいうと、一般NISA口座といわれる専用の口座(非課税投資枠)で購入をした株式や投資信託等から得られる配当金や、その株式を買ったときの譲渡益に対して、5年間は課税されない制度です。

 

つまり、本来は、その株式から毎年得られる配当や、「売却時の価格――買ったときの価格」の差額に対しては所得税等が課税されるのですが、一般NISA口座で運用している株式については、これらは税金を課せられずに「まるまる儲けになる」ものと考えておけばよいでしょう。

 

ただし、非課税投資枠には金額の上限があり、毎年120万円までしか非課税投資枠での購入はできません。また、5年経過したら非課税の枠から外れます。もっとも、購入してから5年が経過した株式については、「必ず5年経過時点で売却をする義務」はなく、(通常の)課税口座に移すこともできます。その際は、「その時点の価格」で、将来売却をした際の譲渡益は「売却時の価格――5年経過時点の価格」で計算される点は注意すべきでしょう。

 

さらに、「5年経過後のその年の新しい枠」に移すことができます。これをロールオーバーといいいます。

 

別の注意点を挙げると、既存で所有している株式等をNISAに移転することはできません。つまり「新規に購入する株式につき」一般NISA口座で取得することができると考えればよいでしょう。

 

もっとも、同一銘柄であっても「追加で取得する」場合は、「追加で取得する」分については一般NISA口座で取得できます。従って、Aという銘柄の株式のうちも元から所有する200口は非課税投資枠で保有、新規で購入した100口は一般NISA口座で保有、ということができます。

 

「一般NISA」とどう違う?「つみたてNISA」の特徴

先述したのは一般NISAですが、このほか、つみたてNISAというものもあります。こちらは、一定の投資信託のみに限定され、さらに年間で40万円までの購入ができない代わり、非課税で保有できる期間は最長20年との点で、一般NISAとの相違点があります。ただし、一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。

 

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