日本が直面する、さまざまな問題。回避しようと努力すればできるものもあれば、回避不可能というものも。そのひとつの大問題が、残り2年とカウントダウンが始まりました。みていきましょう。
恐ろしい…あと2年に迫った大問題!「平均手取り24万円の日本人」全員破滅の危機、回避はできるか? (※写真はイメージです/PIXTA)

想定介護期間「男性9年、女性12年」…問題は介護するのは誰か

より個々の問題としては、「介護」があげられます。日本の平均寿命は、男性81.47歳、女性87.57歳。一方、「日常生活に支障なく暮らせている」という健康寿命は2019年値で、女性75.38歳、男性72.68歳。つまり男性の介護期間は9年、女性の介護期間は12年と想定されます。

 

問題は介護を必要としている人を「誰が介護するのか」ということ。厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2019年)によると、「主な介護者」の54.4%は「同居している家族」です。その内訳は、「配偶者」が23.8%、「子ども」が20.7%、「子の配偶者」が7.5%と続きます。

 

ここから分かるのが、まずは「老老介護」の問題。夫婦の場合、男女の年齢差は平均2~3歳。そして平均寿命の男女差を考えると、「年老いた妻が年老いた夫を介護する」というケースが相当数にのぼり、その数は2025年を境に急激に増えていくと考えられます。

 

また少子化が進み、「介護をする人」よりも「介護を必要とする人」のほうが多いという問題も。単純に考えて、一人っ子の場合、将来的に父親、母親、2人の介護をする可能性があります。それは時間差で長期間に及ぶ場合もあるでしょうし、2人同時に介護が必要になることも考えられます。

 

子どもが親の面倒をみるとなった場合に、仕事との両立はどうでしょうか。難しい場合も多いでしょう。厚生労働省『雇用動向調査』によると、介護を理由に離職する人は、毎年7万〜10万人ほどで推移しています。その数も今後急激に増えていくと指摘する専門家も。

 

もし介護離職となると、どうなるのでしょうか。介護にかかるコストは親の年金などでまかなうとして、心配なのは介護者の老後です。仮に大学卒業後、50歳まで会社員として働き、その後介護離職をしたとしましょう。50歳まで日本人の平均的な給与を手にしてきたとすると、65歳で手にする厚生年金は月5万9,633円。国民年金は満額を手にすると月12万円強が老後生活のベースとなります。

 

それだけの年金額でも貯蓄が十分にあれば問題はありません。しかし50歳で介護離職し資産拡大のタイミングを失った場合、ほとんど資産形成を進めることができず、「貯蓄もゼロに近い」というケースも考えられます。そのような状態で次は自分が介護される側に。親のように介護費用を捻出できるかどうか、あまりに不透明です。そんな負のスパイラルは親から子、さらに孫へと続いていくかもしれません。

 

2025年に起こる大問題。それ以降の日本の社会は、あまりに悲惨であることが想定されています。必ず起こる未来に対して、私たちはどのように備えればいいのでしょうか。いままで以上に財政がひっ迫することが予想されるので、国に期待するのは難しく、自助努力しかないといえるでしょう。賃金がなかなか上がらないなか、税金を払い、保険料を払い……それでも「将来の面倒は自分で」というのが現実なのです。