500以上のモノ・サービスの価格を、2022年と2023年で比べてみると
2023年も始まってはや1ヵ月。依然として値上げのニュースが終わりません。帝国データバンクによると、2月から値上げとなった食品は、冷凍食品や調味料、飲料など4,283品目。昨年10月の6,699品目以来の値上げとなりました。
値上げは食料品だけでなく、ティッシュやトイレットペーパーなどの日用品も。一方で「請求額を見てビックリ!」と話題の電気代やガス代は、2月の請求分から政府の物価高騰対策の補助金で値下がりします。ただ大きく報じられている通り、東京電力はおよそ3割の値上げを国に申請中。認められれば、6月の使用分からは再び値上がりする見通しです。
いつまで続くか、値上げに次ぐ値上げですが、主な要因は原材料等の高騰で価格転嫁が進んでいるから。売る側の努力で価格の据え置きということになると、結局は私たちの給与に跳ね返ってくるわけですから、値上げは仕方がないこと。ただ「もうそろそろ限界……」という声もあちらこちらから聞こえてきます。
ところで光熱費の高騰がクローズアップされますが、実際に大きく値上がりしたモノ・サービスはどのようなものなのでしょうか。総務省統計局『小売物価統計調査』で「507のモノ・サービス」の価格を2022年1月と2023年1月で比べてみます。
507のモノ・サービスのうち、100%を上回った、つまりこの1年で値上がりしたのは329。さらに1割以上の値上げとなったのは131、2割以上の値上げとなったのは30、3割以上の値上げとなったの11でした。
上位10をみていきましょう。507のモノ・サービスのうち、最も値上がり率の高かったのが「柔軟仕上げ剤」で269.42%。1年前は242円で売られていたものが、いまは652円にもなっています。油価格の上昇、石化原材料であるナフサの高騰などが価格転嫁された結果、大きな値上がりとなりました。
続く値上がり率だったのが「茶飲料」で196.43%と、約2倍になった計算。3位は「キッチンペーパー」で191.80%と、こちらも1年で約2倍に。これらの値上げの主要因も、やはり原材料の高騰。そのほか、原油高による輸送コストの上昇分なども価格に転嫁されているものと考えられます。