晩婚化が進むなか、第1子の出産年齢も上がり、最近は40歳を超えた高齢出産も珍しいものではなくなりつつあります。高齢で親になった場合、老後の考え方も変わってくるようで……みていきましょう。
平均月収41万円・40代で父になる大卒サラリーマン「一生、社畜」の悲哀「君が大人になったら、もう定年か…」 (※写真はイメージです/PIXTA)

新生児…20人に1人は親は40代以上

いまだかつてないほど、少子化が議論の中心にありますが、少なからず影響しているのが晩婚化、それに伴う、出産年齢の高齢化です。

 

厚生労働省によると、2020年における第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳、第2子出生時は32.8歳、第3子は33.9歳でした。第1子出生時に注目すると、いまから40年ほど前の1980年では26.4歳。1990年は27.0歳、2000年は28.0歳。20年で1.6歳、第1子の出産年齢はあがっています。さらに2005年には29.1歳と、わずか5年で1歳ほど年齢があがり、2011年には30.1歳と30代に突入。近年、急激にお産の高齢化が進んでいます。

 

母親の年齢があがれば、父親の年齢だってあがります。第1子誕生で大喜びしている父親の平均年齢は32.8歳。1980年は28.3歳、2000年は30.2歳。わずか20年で2歳以上も父親になる年齢はあがりました。平均的なサラリーマンであれば、子どもが成人を迎えたころに50代となり、大学を卒業したころには50代も後半戦。定年までのわずかな時間で、老後を見据えて資産形成を加速する……非常にタイトなライフプランなのが昨今の平均的な夫婦です。

 

これはもちろん平均値ですし、子どもが1人の場合。第2子誕生の親の平均年齢は、母が32.8歳、父が34.7歳。第3子誕生では、母が33.9歳、父が38.8歳。子どもが3人ともなると、定年を迎えるのと、子どもが全員大学を卒業して子育てから完全解放となるのが、ほぼ同じタイミングです。

 

最近では40代になってからの出産も。2021年の新生児86万人ほどに対して、母が40代以上だったのは5万0,840人。20人に1人という水準です。夫婦の年齢差は平均2~3歳ほど(男性が年上)ですから、最近は「子育てから完全に手が離れたときには年金を手にする年齢」というのも、決して珍しいことではありません。

 

【母の年代別にみる新生児の数】

20歳未満:7,782 人

20~24歳:72,092 人

25~29歳:220,933 人

30~34歳:312,582 人

35~39歳:201,010 人

40~44歳:49,191 人

45~49歳:1,593 人

50歳以上:56 人

 

出所:厚生労働省『令和3年度 人口動態統計特殊報告 出生に関する統計』より