会社から解放されて自由!年齢別にみる早期退職に必要な貯蓄額
高齢化に合わせて長く働ける環境が整備される一方で、こんな人も。
――こんな会社、辞めてやる!
誰もが定年まで働きたいと思っているわけではなく、定年を待たずに仕事を辞めたいと思っている人も多いのではないでしょうか。早期退職、いわゆるアーリーリタイアは、会社員にとって夢のひとつかもしれません。
早期退職できれば、すべての時間を自由に使うことができ、何よりも仕事のストレスから解放されることは、厳しい競争下で働く会社員にとって夢のような環境です。一方で社会との繋がりが希薄となり孤独感を覚えたり、何よりも貯蓄が減っていくことは、会社員にはない大きなストレスといえるでしょう。
逆に「収入がなくても十分暮らしていける貯蓄」さえあれば、早期退職は実現できるといえます。果たして、どれくらいの貯蓄があればいいのでしょうか。
総務省『家計調査 家計収支編(2021年)』によると、世帯主の年齢別の実支出は以下の通り。これが1ヵ月の必要額とすると、「収入がなくても十分暮らしていける貯蓄額」がみえてきます。
【世帯主の年齢別「実支出」】
~34歳:339,025円/254,695円(3.31人)
35~39歳:363,745円/268,345円(3.78人)
40~44歳:414,629円/299,805円(3.80人)
45~49歳:453,254円/328,078円(3.62人)
50~54歳:507,290円/360,127円(3.28人)
55~59歳:475,601円/334,394円(3.02人)
60~64歳:407,045円/309,385円(2.75人)
65歳以上:255,100円/224,436円(2.00人)
出所:総務省『家計調査 家計収支編(2021年)』より
※数値は左より実支出、消費支出、(かっこ)内は平均世帯人数
※数値は勤労世帯のもの。65歳以上は、「65歳以上の夫婦一組の世帯(無職世帯)のもの
夫婦で90歳まで生活することを前提に計算していくと、仮に50歳で早期退職するならば、65歳までに必要な貯蓄額は8,339万6,160円。65歳以降は7,959万1,200円。つまり1億6,200円ほどの貯蓄があれば、65歳以降も年金に頼らず、悠々自適に生きていくことができる、といえます。
同じように考えていくと、
45歳で早期退職なら65歳までに1億1,000万円、90歳までに1億9,000万円
40歳で早期退職なら65歳までに1億3,500万円、90歳までに2億1,500万円
35歳で早期退職なら65歳までに1億5,700万円、90歳までに2億3,600万円
30歳で早期退職なら65歳までに1億7,700万円、90歳までに2億5,700万円
これだけの貯蓄があれば、「こんな会社、辞めてやる!」が実現できるといえそうです。もちろん、あくまでも平均値での計算であり、これでは不十分ということもあるでしょう。ただ、どう考えても会社員には高すぎるハードル。早期退職への想いはそっと胸にしまい、仕事にまい進するしかない、というのが現実のようです。