東京・新築マンションの平均価格下落へ…それでも庶民には高すぎる
タワマンに代表される東京のマンションですが、最近は状況の変化も。新築マンションの価格は上昇を続け、バブル超えと大きなニュースになっていましたが、流石に上がりすぎたのか、過熱していたブームは徐々に冷え込んできた感が漂っています。不動産経済研究所によると、2022年度上半期(4~9月)東京区部の新築マンションの平均価格は7,768万円。前年同期比10.6%のダウンとなりました。
――これで東京のマンションは買いやすくなる
そう思う人もいるかもしれませんが、はっきりいって東京のマンションはまだまだ高すぎると言わざるをえません。購入できるマンションの価格は、通常年収の5~7倍といわれています。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、男性会社員(正社員)の平均年収は571万円。つまり3,000万~4,000万円程度のマンションが適正ということになります。ところが東京区部のマンションであれば、年収の13.6倍。適正値の倍近くですから、購入を検討することさえ、正気の沙汰ではありません。
――共働きなら、なんとかなる
そう考える人もいるでしょう。同調査によると、女性会社員(正社員)の平均年収は421万円。正社員夫婦であれば合わせて992万円で、年収倍率は7.8倍。適正値を超えてしまいます。「頑張らないと買えない」という価格です。
さらにここにきて、住宅購入予定者の心をざわつかせているのが金利上昇。2022年12月に開催された金融政策決定会合で、日銀は長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%に拡大。2023年1月に各金融機関は固定金利を引き上げました。
住宅ローン利用者の7割以上が変動金利を選択しているため、影響を受ける人は少ないといわれていますが、長期金利の上昇を許容したということは、将来的に短期金利も上がる可能性も。変動金利の住宅ローンは短期金利に連動する仕組みなので、当然、金融機関の支払額も増えてしまいます。
マイホーム購入に踏み切るか、それとも見送るか、判断が難しいところではありますが、ひとついえるのが、「東京のマンションは高すぎる」ということ。「いつかは東京にマイホームをと夢見ていたけど……」そんな悲壮感あふれる人たちが溢れています。