夢のマイホーム。数千万円の買い物なので、ほとんどの人がローンを利用しますが、返済できなくなるリスクは誰にでもあります。最悪の結末を迎える前にすべきことをみていきましょう。
手取り月31万円・44歳会社員「もう、限界だ」と、まさかの住宅ローン破綻…滞納してしまう前に絶対すべきこと (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローン利用者の50人に1人は「ローン破綻」を迎える

国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』によると、分譲マンション購入者の平均年齢は44.5歳。年収に対して、住宅ローンの返済額が占める割合である返済負担率は平均18%です。たとえば大卒会社員の平均給与(所定内給与)は月41.1万円、手取りにすると31万円ほど。年収は684.4万円なので、月10万2,000円ほど返済している計算です

 

*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』大卒・男性・正社員・企業規模10人以上の場合

 

住宅金融支援機構のフラット35では、返済負担率の上限は年収400万円未満で30%、年収400万円以上で35%としているので、前出の会社員であれば、月20万円程度の返済が上限といえます。

 

手取り31万円で、月々10万円ほどであれば、余裕をもって返済を続けていけるでしょうか。しかし、日銀が昨年12月の金融政策決定会合で長期金利の変動幅拡大を決定して以来、固定金利は上昇。住宅ローン利用者の7割は変動金利を選択しているので、大きな影響はないといわれていますが、ローン返済は平均30年以上に渡り、その間、この低金利が続くとは限らないことが、今回の金利上昇によって浮き彫りに。利用者の不安が増大しています。

 

日本のローン破綻率は約2%。50人に1人は破綻という結末を迎えるといわれています。そもそも返済負担率が高い場合は、破綻リスクも高いといえますが、平均的な負担率であってもローン破綻を迎えてしまうケースも。

 

最も多いのが収入の減少。住宅ローンを利用する際、契約時はもちろん、その後も安定的な収入が続くことを前提としているでしょう。しかし会社員であれば勤務先の業績が悪化し給与減となることもあるでしょうし、リストラや解雇という場合も。病気や怪我で休職という可能性もゼロではありません。

 

また子育て世代ほどローン破綻に陥るリスクが高いといわれています。子どもの成長とともに支出は増えていきますが、たとえ生活が苦しくても、特に教育費は節約しにくいもの。未来への投資として、身の丈以上の支出をしてしまっているケースも珍しくありません。このような場合、少しの収入減でもローン返済に影響し、最悪の結末を迎えてしまうのです。