給与は増えているかもしれないが、生活は厳しくなるばかり
平均賃金の推移をみていくと、2021年の月給は34万9,759円、時間外給与は3万0,467円、総支給額は38万0,226円。それぞれ、前年比4.0%、6.5%、4.2%増と、コロナ禍からの回復が給与にも反映されたカタチになりました。
【東京都中小企業の給与の推移】
2018年:348,306円(△1.0%)/35,749円(3.3%)/384,055円(△0.7%)
2019年:346,055円(△0.6%)/36,611円(2.4%)/382,666円(△0.4%)
2020年:350,477円(1.3%)/29,803円(△ 18.6%)/380,280円(△ 0.6%)
2021年:349,759円(△ 0.2%)/30,467円(2.2%)/380,226円(△ 0.0%)
2022年:363,904円(4.0%)/32,453円(6.5%)/396,357円(4.2%)
※数値は左より、所定時間内給与/所定時間外給与/総支給額、(かっこ)内は前年比
この結果、わたしたちの生活も上向きなのかといえば、そうではないと誰もが実感するところ。厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、2022年11月の現金給与総額(名目賃金)は0.5%増で28万3,895円(速報、従業員5人以上)。11ヵ月連続でプラスになったものの、2022年では初めて1%を割りました。一方で、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月比3.8%減で、8年6ヵ月ぶりの下落率、かつマイナスは8ヵ月連続という惨状。わたしたちの生活は確実に悪化しています。
そのような状況に対し、岸田総理は「インフレ率を上回る賃上げをめざす」と表明しています。「頼むよ、岸田さん」といったところですが、効果的な賃上げ政策があるわけでもなく、すべて企業に丸投げ状態。さらには法人税増額という話もあり、「あまりに無責任」「結局、政府は何をしたいのか!」と批判が高まるばかり。
果たして、インフレ以上の賃上げは実現するのか……可能性は極めて低いと言わざるを得ない状況です。