小池百合子東京都知事、子ども1人あたり月5,000円の給付を表明
少子化対策として、都内に住む0歳から18歳の子ども全員に月5000円程度の給付をすると明らかにした、小池百合子東京都知事。対象となるのは190万人ほどといわれています。
そもそもなぜ月に5,000円なのかというと、東京都の教育費が全国平均と比べて5,000円程度高いから。その穴埋めということで、所得制限に関係なく、子ども1人につき5,000円あげますよ、ということ。いま、日本で大問題となっている少子化ですが、子どもを2人以上望まないのは、子育てや教育にお金がかかるからというのが一因といわれているので、少しでも問題解決になるのでは、と期待されています。
また所得の制限がないというのも、今回の給付のポイント。「「高給取りなんだから、お金なんてもらわなくてもいいでしょ」という声はあるものの、高所得者層は高所得者層なりに教育費がかさみ、意外と家計に余裕はない、というのが現状。「所得制限」という名のもと、不利になりがちだった高所得者層からも歓喜の声があがっています。
中学から私立に通うと、教育費は総額いくらになる?
東京都教育委員会『令和4年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業したのは9万8,239人。そのうち私立中学校に進学したのは1万9,025人で、全体に占める割合は19.73%。5人に1人は中学受験をして私立中学校に進学をしています(関連記事:『東京都23区「中学受験進学率」ランキング《2021年》』)。
区別に進学率をみていくと、最も高いのが「文京区」で49.44%。「港区」44.69%、「中央区」42.45%と続きます。上位は「高所得者層が多い区」がズラリと並び、高給取りほど「中学受験に熱心」という姿が浮かび上がってきます(関連記事:『最新「東京23区平均年収ランキング」…2021年度データで算出』)。
一方、何かとお金のかかる私立校への進学は「高所得でないとムリ」という実情も。文部科学省の調査によると、年間学習費総額(学費のほか、家庭内学習費などの学校外活動費の総額)*1は、公立中学校で48万8,397円、私立中学校で140万6,433円、公立高校で45万7,380円、私立高校で96万9,911円。さらに大学*2は、国立大学の納付金(初年度)は81万7800円、私立大学文系で117万2582円、理系で154万9688円。中学から大学まで、公立だと500万円強に対し、私立だとその2倍、1,000万円を超えます。
*1:文部科学省『子供の学習費調査(平成30年度)』
*2:文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』