大学生の約半数が利用しているとされる奨学金。昨今は返還不要の給付型の利用も広がっていますが、まだまだ主流は返還義務のある貸与型。平均15~20年ほどで返還完了といわれていますが、その間、ボディブローのように家計を圧迫し続けます。なかには返還困難に陥ることも。みていきましょう。
「だめだ、もう奨学金を返せない」手取り月20万円の30代非正規社員、自己破産するしかないのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

学生生活費…自宅外私立学生で年間241万円

大学受験シーズン到来で、大詰めを迎えている人も多いなか、進学前にいま一度確認しておきたいのがお金のこと。実際かかるお金は、国公立か私立かで大きく異なります。

 

独立行政法人日本学生支援機構『令和2年度学生生活調査』によると、学生生活費の合計で、国公立と私立の差は年間56万円。4年で卒業できたとして、トータル200万円ほどの差となります。

 

【学校の種別「学生生活費」※大学昼間部】

◆国立大学

・学費:59万2,000円(授業料等:49万0,900円、修学費等:10万1,100円)

・生活費:83万9,800円(家賃・食費・光熱費:53万4,800円、その他:30万5,000円)

◆公立大学

・学費:60万5,000円(授業料等:50万6,000円、修学費等: 9万9,000円)

・生活費:76万7,900円(家賃・食費・光熱費:44万9,400円、その他:31万8,500円)

◆私立大学

・学費:131万0,700円(授業料等:119万5,700円、修学費等:11万5,000円)

・生活費:61万7,900円(家賃・食費・光熱費:30万3,100円、その他:31万4,800円)

 

また自宅か自宅外かでも、大きく“お金”は変わってくるもの。自宅か自宅外で、1年間で70万円、4年間で300万円近い差となります。

 

【自宅/自宅外「学生生活費」※大学昼間部】

◆国立大学

自宅:98万7,100円、自宅外:172万1,800円

◆公立大学

自宅:99万3,000円、自宅外:168万9,000円

◆私立大学

自宅:170万4,800円、自宅外:241万4,300円

 

これだけのお金を払ってもなお、家計に余裕があるならいいですが、多くの家庭ではそうはいかず、「家庭からの給付のみで修学可能とするのは49.10%。学生自身がアルバイトをして生活費に充てるのは当たり前のことで、大学生の49.6%、ほぼ過半数が奨学金を利用しています。