総務省『令和4年地方公務員給与実態調査結果等』が発表され、最新の地方公務員の給与事情が明らかになりました。今回は都道府県ごとの退職金事情をみていきます。
都道府県「公務員の退職金」ランキング…平均2,000万円超え続出に「中小企業勤務の会社員」思わず嫉妬 (※写真はイメージです/PIXTA)

一方、中小企業勤務の会社員の定年退職金は…

60歳定年で地方公務員が手にする退職金。勤続年数等や階級などでその額は変わりますが、学校卒業後、公務員一筋で定年を迎えたなら、2,000万円は手にできそうです。一方、民間企業をみていくとどうでしょうか。最近は退職金のない企業も増え、その分、自分で運用するように……という流れも。

 

東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』をみていくと、「退職金制度」があるのは、71.5%。そのうち「退職一時金のみ」が72.5%、「退職一時金と退職年金の併用」が22.7%、「退職年金のみ」が4.8%。中小企業で働く会社員の3割は退職金制度がないなか働き、定年を迎えても1円ももらうことができません。

 

また同調査ではモデル退職金も示されていて、大卒の定年退職金は1,091.8万円。月収(所定内給与)の22.8ヵ月分が支払われる計算です。また高卒なら 994.0万円。月収の23.2ヵ月分が支払われる計算です。

 

一方、東京都の公務員の平均定年退職金は2,312.0万円。一概に比べることはできませんが、公務員と中小企業の会社員、定年時に手にする退職金には2倍近くの差があるようです。

 

公務員と会社員。それぞれに長所と短所があり、どちらに魅力を感じるかは人それぞれ。勤める会社によって事情は異なりますが、一般的に会社員よりも公務員のほうが福利厚生の面では優れている一方で、給与は会社員のほうが天井知らずの部分があります。安定の公務員か、可能性の会社員か……そんな視点で選んだ人も多いことでしょう。

 

しかし老後生活の基本となる公的年金に淡い期待も寄せることができないなか、定年退職金は最後の砦のようなもの。その額によって、老後の在り方が大きく左右されます。定年、その後が見え始めた人のなかには「あのとき、公務員になるという選択をすれば……」そんな後悔をしている人も多いのではないでしょうか。