厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』が発表され、最新の年金受給額が明らかになりました。地域別の年金事情をみていきましょう。
都道府県「年金受給額」最新ランキング…1位と47位に生じる、老後20年「衝撃の年金格差」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「厚生年金」と「国民年金」の受給額…都道府県別にみていくと

都道府県別に年金の受取額をみていきましょう(関連記事:『都道府県「厚生年金」「国民年金」受給額ランキング…2022年3年度末現在 』)。

 

厚生年金の受給額が最も多いのは「神奈川県」で16万5,321円。続いて「千葉県」が16万0,017円。この2県のみ、平均16万円を超えています。以下「東京都」「奈良県」「埼玉県」と続きます。一方で受給額が最も少ないのは「青森県」で12万2,111円。続く「秋田県」は12万2,914円。「宮崎県」「沖縄県」「山形県」と続きます。

 

一方、国民年金の受給額が最も多いのは「富山県」で6万0,034円。最も少ないのは「沖縄県」で5万2,112円でした。

 

【都道府県別『厚生基礎年金受給額』上位5/下位5位】

1位「神奈川県」165,321円

2位「千葉県」160,017円

3位「東京都」158,661円

4位「奈良県」157,601円

5位「埼玉県」156,319円

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43位「山形県」124,517円

44位「沖縄県」123,755円

45位「宮崎県」123,220円

46位「秋田県」122,914円

47位「青森県」122,111円

 

【都道府県別『国民基礎年金受給額』上位5/下位5位】

1位「富山県」60,034円

2位「福井県」59,339円

3位「島根県」59,276円

4位「長野県」59,050円

5位「石川県」58,997円

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43位「高知県」55,129円

44位「和歌山県」54,794円

45位「大阪府」54,335円

46位「青森県」53,933円

47位「沖縄県」52,112円

 

出所:厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より

 

元会社員や公務員が手にする厚生年金。現役時代の収入差が、最大、年間51万円ほどの地域格差になります。日本人の平均寿命は84.62歳(世界銀行、2020年)。65歳から20年年金を手にすると考えると、最終的に1,000万円もの差となります。

 

地域によって物価や生活費なども異なるので、年金受給額の地域差がそのまま老後の生活水準につながるものではありません。ただ最大でも月16万円程度の年金。持ち家であればまだいいですが、賃貸暮らしであれば、家賃を払い、残った生活で暮らしていく……ちょっと心許ない金額です。

 

できることなら年金だけで暮らしていけるのが理想ですが、そうもいかないのが現状。高齢化の進展で手にする年金はますます減っていくと考えられますので、なるべく早く、そして計画的な資産形成が、老後の安心につながります。