単身者20人1人が「その日暮らし」という現実
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査 2022年(単身世帯調査)』によると、金融資産*1の保有率は65.5%。単身世帯の3割強が「将来を見据えた資産形成はしていない」という状況です。保有世帯の保有額は平均1,348万円で前年から270万円ほどのダウン。中央値は450万円で、こちらも前年から50万円ほど減少しました。
また金融商品*2を保有していない世帯は4.9%。こちらは前年から1.1増となりました。単身世帯の20人に1人が「その日暮らし」というのが実情です。
*1:定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または 将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している 金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えてい る部分は除く
*2:)「金融資産」に「預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分」を加えたもの
さらに単身世帯の金融資産保有額についてみていくと、2,000万円を超える単身者が13%強の一方で、100万円未満も13%強。同じ「おひとり様」でも二極化している
【単身世帯の金融資産保有額】
100万円未満:13.4%
100万~200万円未満:7.0%
200万~300万円未満:5.0%
300万~400万円未満:4.5%
400万~500万円未満:2.6%
500万~1,000万円未満:9.4%
1,000万~2,000万円未満:8.1%
2,000万円以上:13.2%
出所:金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査 2022年(単身世帯調査)』
※非金融資産保有世帯含む
国勢調査で単身世帯の割合を確認すると、全体の34.5%と3分の1を超えています。50歳時の未婚割合、いわゆる未婚率は年々増加傾向にあり、2020年では男性28.25%、女性17.81%。50代男性の4人1人は結婚経験がありません。
昨今、結婚観は大きく変わり、「結婚しない」という選択をすることは、なんら珍しいことではなくなりました。しかし問題になっているのが「結婚願望はあるものの結婚できない」人が増加しているということ。その理由として大きいのが「収入」。「結婚したくても収入が低いから結婚に踏み切れない」という人たちです。なかでも「就職氷河期世代」とか「ロスジェネ世代」と呼ばれる人たちがクローズアップされることが
どのあたりを就職氷河期と呼ぶかはいろいろありますが、1993年~2005年卒とする専門家が多く、特に2000年前後は「超氷河期」といわれ、2000年の有効求人倍率は0.59%、大卒の就職率は55.8%と悲惨な状況。大卒の22.5%が「学卒無業者」という時代でした。そんな彼らは大卒だと、2022年、41歳~52歳。ロスジェネ第1世代はすでに50代に達しています。